「異色」だった欅坂46のドキュメンタリー
欅坂のドキュメンタリーと前後して、8月には姉妹グループである日向坂46のドキュメンタリー映画『3年目のデビュー』が公開されている。同作とくらべると欅坂のドキュメンタリーがいかに異色かがわかる。日向坂のドキュメンタリーには、欅坂のアンダーグループとして結成された同グループ(当初の名前はけやき坂46)が、当初は位置づけもあいまいでメンバーたちも悩んでいたのが、しだいに存在感を増し、3年目にして現在の名称となって独立するにいたるという明確な物語があった。これに対し、『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』は、さまざまな要素が交錯し、ひとつの物語には収まり切らない。
欅坂には、デビュー以来、先日のとおり平手友梨奈という絶対的な
とにかく、ある時期を境に変わってしまったグループ内の「以前」
際立つ平手の存在感とほかのメンバーの苦悩
それでも本作における平手の存在感はやはり圧倒的だ。とりわけ、昨年のグループ初の東京ドームのコンサートで、欅坂の代表曲のひとつ「不協和音」でメンバー全員ですべてを出し切ったかに思われたの
その平手は、ケガなどを理由にたびたびライブを欠席してきた。最初に公演を欠席したときは、グループに激震が走ったが、その後、平手の穴を埋めるべく、ほかのメンバーたちがそれぞれ試行錯誤しながらも代役を務めるようになる。
そのひとり、小池美波は、シングル曲「二人セゾン」で、平手に代わってソロのダンスパートを担当することになったが、どうしても彼女のようにはできないと思い悩む。それに対し振付師のTAKAHIROが向き合う様子がよかった。このとき彼が小池を励まそうと、自分とくらべるべき対象は、平手
TAKAHIROは、劇中のインタビューで、「子供(メンバー)に対する大人の責任とは何か」と問われ、「ずっと見続けることじゃないでしょうか」と答えていたのも印象深い。