文春オンライン

「食事写真のSNS投稿を強要」「吐くまで食べさせられ…」蔓延する“メシハラ”の異常な実態

2020/10/16
note

総重量2キロのカツカレーを完食させる恒例行事

 さらに、業界によってはメシハラが業務命令になっているケースもあるようだ。上の命令には絶対服従の警察や自衛隊はその典型で、公務員のDさん(29歳、男性)は数年前にそうした組織特有の理不尽なメシハラを受けたことがある。

「僕が当時所属していた組織は、昭和どころか戦前の日本軍の体質がそのまま残っているような旧態依然としたところで、総重量約2キロの超特大カツカレーを完食しなければならない毎年恒例の行事がありました。食べさせられるのは新人だけで、苦しそうに食べている姿を上司や先輩が見てゲラゲラ笑うという最悪の行事です。

 建前上は、厳しい訓練を乗り切る体力と精神力を身につけるための行事とのことですが、結局は新人いじめですよ。でも、完食しないと根性なしのレッテルを貼られるので、泣きながらでも食べきるしかないんです」(Dさん)

ADVERTISEMENT

「お前は安いものばっかり食べているな」「パパ活やっているか?」

 公務員とは180度違うイメージのある華やかなIT業界でも、じつはメシハラが横行しているという。大手IT企業に入社して2年目のEさん(24歳、女性)が語る。

「IT企業ということもあり、入社早々、30代の男性上司が私のツイッターやインスタグラムのアカウントを確認してきて、それ以来SNSの投稿が全部チェックされるようになりました。上司が見るなら当たり障りのない内容しかアップしなくなりますよね? そうしたら『面白くない』と言われ、食事の様子の投稿を要求されたんです。

©iStock.com

 それで、普段の食事とかをアップし始めたんですが、すると今度は『お前は安いものばっかり食べているな』とケチをつけられ、彼氏とホテルのレストランで食事したら『パパ活やっているか?』とひどいことを言ってくる。もうホント最悪です」(Eさん)