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「私が小さい頃はガスも水道も引かれてなくて、みんなで助け合って生きていました。少し前まではもっと古い団地がたくさんあってね。子供は団地同士を行き来して遊んでいました。子供も大人もみんな知り合いで、どこにどんな家族が住んでいるかはみんな知っていました。家賃は1000円もかからなかったと思う」

現場となった市営住宅 ©文藝春秋

 近年、再開発が行われたこともあり、街は整備されていたが、歩いてみると昔ながらの家屋が残る場所もあった。前出の高齢女性が続ける。

「でも今はだいぶ変わりましたね。道路も整備されて広くなり、2014年に京都市立芸術大学がここに建つことが決まってからは古い団地はほとんど取り壊されて新しい団地が建って。でも若い家族はほとんど出て行ってしまって、残ったのは私たちみたいな高齢者だけですよ。再開発地区から少し外れると、今でもそこだけ昔ながらの雰囲気が残っているかもしれないね」

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事件現場となった市営住宅 ©文藝春秋

家賃1~4万円程度の3LDKに1人暮らし

 山村さんの住む市営住宅も建て替えられ、昨年の冬頃にようやく入居が始まったばかりだった。住民によると「家賃は1万~4万くらい」で、山村さんは3LDKの一室に1人で暮らしていた。

「生前、山村さんはサンリオキャラクターグッズの販売店でアルバイトをしていました。姿が最後に確認されたのは今月5日、アルバイト先に出勤したときです。しかし10日と11日のシフトには姿を現さなかった。そして11日に変わり果てた姿で見つかりました」(地元紙記者)

 京都府警は発見翌日の12日、62人態勢の捜査本部を設置して捜査を開始。しかし山村さんが発見された当時の状況には不可解な点がいくつもあった。