今から約40年前に起きた、子供を含む男女4人が殺害される事件。のちに消えた少女の骨が発見。さらに「不倫相手が犯人」という新証言が出たものの、事件は解決に至らなかった理由とは? 今なお真相が闇に包まれた古今東西81のコールドケースを扱った文庫『読んで震えろ! 世界の未解決ミステリー』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/最初から読む)
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消えた少女の骨が発見
夜中に物音がして寝ぼけ眼でリビングルームを覗いたところ、グレナが2人の男と口論しており、そこに入ってきたティナが男の1人に屋外に連れ去られたのだという。男の1人は長髪、もう1人は短髪で、両者とも身長180センチ前後、20代後半から30代前半で金のフレームのメガネをかけていたそうだ。
犯人逮捕は時間の問題と思われた。が、ジャスティンの目撃情報から似顔絵を作成し広範囲に配布しても芳しい反応はなく、グレナやシャープ家に恨みを持つ者を探すも該当者はいない。そのうち警察内部でも、犯行は怨恨ではなく、被害者らと何ら接点がない行きずりの変質者によるものとの見方が広がっていく。
事件の迷宮入りが囁かれ始めた1984年4月22日、ケディから100マイル(約160キロ)離れたカリフォルニア州ビュート郡のキャンプ場で、人間の頭蓋骨の一部が発見された。
鑑定の結果、骨は行方がわからなくなっていたティナのものと判明。さらに骨が発見される直前、警察に「(今度発見される)骨はティナのものだよ」と匿名の電話がかかってきたことがわかった。これにより、改めて多くの不審者が捜査対象になったが、真犯人にたどりつくことはできなかった。
