現場は7階で玄関は施錠され実質”密室”状態
「第一発見者の叔母は、彼女の部屋に行った際、合鍵で玄関に入っています。つまり施錠された状態だった。ベランダに通じる窓の鍵は開いていましたが、部屋は7階にありますし、窓から逃げるのは困難です。窓から逃げた痕跡も、現時点では見つかっていない。実質の密室状態です。そして部屋は金品を探したような跡はなく、捜査の過程で山村さんのものと思われる財布も見つかりました。
犯行に及んだ人物は山村さんの顔見知りで、深い関係性だった可能性が高いとみています」(前出・捜査関係者)
司法解剖の結果、山村さんが殺害されたのは9日夜。山村さんの体には10カ所以上もの刺し傷があり、なかには心臓に届くほど深い傷もあった。死因は心臓の周辺に血液がたまって圧迫される「心タンポナーデ」だった。
密室で行われた壮絶なやりとり
「心臓付近を刺されたことが致命傷となり短期間のあいだに死亡したとみられます。しかしそのほかにも10カ所以上の刺し傷が首や上半身に見られ、なかには背中にも傷がありました。山村さんが室内で、凶器を持った犯人から逃げ回っていた際についた傷でしょう。手には抵抗したときにできる防御創もあった。密室では壮絶なやりとりが行われていたのでしょう。犯人が相当強い殺意をもって山村さんを襲ったことがわかります」(同前)
しかし警察には生前の山村さんからストーカーなどの被害を相談された記録はない。山村さんはなぜ殺されなければならなかったのか。
「彼女のとこは早くに両親が離婚して、父方に引き取られたんです。それでおばあちゃんが育ててたけどおばあちゃんも亡くなってしまった。そのあとは叔母が育てたみたいだけど、すぐそこにある児童館にずっと預けられていた状態だったと思います。それでも立派にひとり暮らしできるまでに成長したんだなあと思ってたんですけどね……。どうしてこんなことになってしまったのか」(山村さんを知る近隣住民)
密室で人知れず行われた犯行に謎は深まるばかりだ。
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