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学校の対応も遅れた。体罰があった9月25日、「子供の様子がおかしい」という保護者からの指摘を受けて事態を把握したものの、市教委には「行きすぎた指導があった」と報告。3日後に「体罰だった」と改めたが、被害生徒や保護者に謝罪をしたのは1週間後の10月2日だった。
「優しい先生という印象だが、キレると豹変するタイプ」
「指導する必要があると思ったのだろう。正義感が強い人だが、間違った形で出てしまった」。逮捕を受けた会見でも、市教委幹部はこのように「指導の延長」という見方を残し続けた。
一方の生徒らは上野容疑者の「異様さ」を感じ取っていた。
「私たちには普通の態度だし、優しい先生という印象もあった。だけど、柔道部の子はみんな怖がっていたので部活では違うんだな、と。部員から『上野先生にしばかれた』と聞いたこともあって、キレると豹変するタイプだと思っていた」(現役の女子生徒)
「今回はたくさんの生徒たちが見ていたから事実が分かったが、当事者しかいなかったら隠されていたかもしれない」と不信感を語る保護者もいる。
何もわかっていなかったのは、教える側の「先生」たちだけだったようだ。