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忽那医師が開発をめざす治療法

 特効薬やワクチンの開発が待たれるなか、国際感染症センターが研究を進めてきた新型コロナの治療法がある。「回復者血漿療法」だ。

 回復者血漿療法は、新型コロナが発症して回復した人の血液から血漿を取り出し、患者に投与するというもの。回復者の血漿に含まれる抗体には、ウイルスなどの病原体を不活化する働きがある。

 100年前のスペイン風邪でも実施された古典的な治療法だが、近年では鳥インフルエンザ、エボラ出血熱などの重症感染症、新型コロナと同じコロナウイルス感染症のSARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)でも採用されている。通常の輸血と同じなので、重篤な副作用が認められないのも利点の1つだ。

 忽那医師たちは今年6月から、回復者血漿の採取と保存を進めてきた。

「効果は期待できるのではないかと考えていますが、投与の条件などを研究している段階です。今後の成果に期待していただきたいと思います」

感染者を多数受け入れた

 これから冬を迎えると気温が下がり、空気が乾燥して、夏よりもウイルスに感染しやすい環境になる。インフルエンザとダブルで流行することも心配だ。

「南半球の国々では、日本の夏にあたる期間が冬でしたが、インフルエンザの患者数が例年より非常に少ないようです。おそらく新型コロナの対策が、インフルエンザの流行を抑えているためとみられます」

 日常生活では、手洗い、咳エチケット、屋内でのマスク着用、三密を避ける、といった基本的な感染対策を継続しなくてはいけないようだ。インフルエンザの予防接種は受けたほうがいいのだろうか?

「受けることをお勧めします。それはインフルエンザの予防になるのはもちろんのこと、ワクチンを打つことによって、免疫システムが活性化され、インフルエンザ以外の感染症ヘの抵抗力が増すことがわかっているからです。これを“訓練免疫”といいます」

 とくに高齢の人や基礎疾患がある人は、新型コロナの重症化リスクが高いから、例年よりも積極的に予防接種を受けたほうがいいようだ。年の瀬、年明けは人の移動も増えるから感染対策は引きつづき徹底したい。

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出典:「文藝春秋」11月号

 忽那賢志医師による「重症化を防ぐ『治療法』がわかってきた」は、「文藝春秋」11月号および「文藝春秋digital」に掲載されています。

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