街を歩いてる人にまで言われた「どうして結婚しないの」
ーー「実力派」は、たぶん「美人じゃない」という意味も含まれている。
山田 そうでしょうね。俳優だってありますよ、「演技派」とか「実力派」とか。
ーー「ブスいじり」は職業上のメリットと捉えていらっしゃったとのお話でしたが、傷ついた「いじられ方」はありましたか。
山田 私も毎日毎日「なんで結婚しないのか」って言われた時期があって。グサってきてましたよ。「なんで結婚しないの」「どうして結婚しないの」って、もう何十回と言われた時期がありました。会う人会う人、街を歩いてる人にまで言われる。
ーー街を歩いてる人にも!?
山田 共演者、ファンの方、スタッフ。もうみんなが言うの。「なんで結婚しないの」「なんで子供産まないの」って。
ーーなんてお答えするんですか、その時は。
山田 「バカだからです」とか、「ブスだからです」とか、そういう風に言ってました。それで39の時かな、時期的にもちょうどいいから結婚してみたんですけど。そしたら今度は「ブスなのに結婚した」「嫌い」になったみたいで。
ーーどういうこと……。
山田 下に見たいわけですよ。それが、「あれ? 結婚できたの?」みたいになっちゃって。今度は「ブスのくせに」ってなった。何やったってもう言われるんです(笑)。だから「はいはいはい」ぐらいなことなんだって思うようになりました。全部「はいはいはい、ありがとうございます」でいい。
ーーさんまさんが結婚した時に「結婚したらあまり面白くなくなった」と週刊誌で書かれていたのをすごく覚えています。
山田 それ言われるんですよ。いやお前より全然面白いけどって、自分に自信があれば跳ねのけられるけどね。別にそこでいちいち悩んだりももったいない。応援してくれてる人の方がいっぱいいるんですよ。攻撃する人ってほんとちょっとなんだけど目立つんですよね。
その時その時に出会った、共演者の助言に支えられて
ーー山田さんはその「自信」をどのように身につけましたか?
山田 まぁ色んな悩み事もあったんでしょうけど、常に共演者や同業者に支えられたのかもしれませんね。同じような境遇、同じような悩み、だったのか。あぁ一緒だなということを。そういう意味ではひとりぼっち感はなかったのかもしれないですね。
ーー女性としてはひとりだったけど、チームの中では自分もその一員、という。
山田 ピン芸だから、自分と向き合っていかないと。全部自分をさらけ出して、自分の中から出てくるもので勝負してるから。それはもう落ち込みますよ。全然だめだ、何も浮かばないとか。でもたけしさんや三枝(文枝)さんをはじめ、その時その時に会った共演者の方が助言してくれるんですよ。そういうことをちゃんと言ってもらえてよかったなって。
三枝さんにはこう言われたんです。世の中の「流れ」を見なさいと。「自分はこういう風にやりたい」って、それが一番大切だけど、人がどういう風に思っている、今の流れはこうだとか、そういうのはよくみなさいと言っていましたね。