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《天皇賞・秋》GⅠ8勝目を狙うアーモンドアイ 最大の不安材料はシンボリルドルフの呪い⁉

あっと驚くギャロップダイナからサイレンススズカの悲劇まで スーパーホース敗北の歴史

2020/10/30

ディープインパクトがGⅠ7勝「しか」できなかった理由

 シンボリルドルフは「7冠馬」と表されたが、GⅠの数が増えるにつれて3冠馬以外にもGⅠを6つも7つも勝つ馬が現れ、いまでは「GⅠ7勝」という表現が多くなった。

 2頭目のGⅠ7勝馬はテイエムオペラオーで、8勝するチャンスが一番多かった馬である。最後のシーズンとなった2001年もすべて1番人気で、天皇賞(春)を勝ってGⅠ7勝となった。しかし、宝塚記念ではメイショウドトウに雪辱され、天皇賞(秋)はアグネスデジタルの2着、ジャパンカップはジャングルポケットに首差負け、有馬記念もマンハッタンカフェの5着に終わった。

ディープインパクトと武豊はルドルフ以来の無敗3冠を達成(2005年 皐月賞) Ⓒ文藝春秋

 ディープインパクトは4歳いっぱいで引退し、有馬記念が7勝目だった。もう1年現役をつづけていたら、GⅠの数は8つといわず二桁になっていても不思議ではないが、このクラスの馬は無事で種牡馬になることがなによりも重要である。

 つづいて、64年ぶりの牝馬のダービー馬ウオッカ。5歳秋のジャパンカップに勝って牝馬初のGⅠ7勝となったが、レース中に鼻出血したことで1か月の出走停止となって有馬記念にでられず、翌春、ドバイのGⅡ(8着)でふたたび鼻出血、そのまま引退となった。

ウオッカはGⅠ7勝のうち、6勝を東京競馬場であげた(2007年 日本ダービー) Ⓒ文藝春秋

 ジェンティルドンナは「牝馬3冠」以外は牡馬相手のGⅠに勝っている。3冠馬オルフェーヴルを競り負かした一戦を含めジャパンカップに2勝。引退レースの有馬記念が7つめのGⅠだった。

 キタサンブラックも最後の有馬記念がGⅠ7勝目となった。惜しまれるのはその1年前、首差でサトノダイヤモンドに負けた有馬記念だった。

キタサンブラックと武豊 オーナーの北島三郎がレース後に「まつり」をファンの前で歌ったことも(2017年 天皇賞・秋) Ⓒ文藝春秋

 こうして、2000年代に登場した錚々たる名馬たちも8勝に届かないまま、アーモンドアイまできてしまった。この3年、日本のトップホースとして先頭を走ってきたアーモンドアイもおそらくあと2戦、多くても3戦だ。馬の状態もいいということで、陣営もGⅠ8勝に意欲的だと聞く。まずは目の前の天皇賞をクリアしてもらい、ジャパンカップではコントレイルとデアリングタクトを迎え撃つ、世紀の一戦を見たい。

アーモンドアイが皇帝の呪いを解く! (2018年 ジャパンカップ)

 それならばきっと、ルドルフも許してくれるだろう。

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