チームはこの日、逆転勝利を挙げ、連敗をストップさせた。4番に座ったのは清田だった。翌11月1日の同カードも4番に座ると初回に6号先制2ラン。通算57本目の一発で自身全打順本塁打を達成し、チームを盛り上げた。ちなみに全打順本塁打は史上13人目。井口資仁監督は09年4月7日に達成している。清田は1番で12本。2番で3本。3番で15本。5番で11本。6番で3本。7番で6本。8番、9番でそれぞれ2本。途中出場で2本という内訳だ。ムードメーカーとして、バットマンとしてチームに貢献する頼もしき存在である。
350二塁打達成の鳥谷もビックリの笑顔
連敗を6でストップさせた10月25日のバファローズ戦(京セラドーム)も思い出深い。8回に鳥谷が史上46人目の350二塁打を達成すると、清田は記念のボードを手に二塁ベースまで駆け寄った。塁上の鳥谷もビックリの笑顔だった。
「ちょうど試合前に『きょう達成してくださいね!』と話をしていたこともあって、嬉しくて嬉しくて。本人にボードを手渡したら、ちょっと笑ってくれた。あのクールな人がちょっと笑ってくれて本当に嬉しかった」。清田は笑顔で振り返ってくれた。
今、マリーンズは1974年以来46年ぶりとなるリーグ優勝は逃したものの07年以来となる2位死守を目指し日々、戦っている。昨年まで3年連続Bクラスのチームにあって上位争いを経験したことのない選手も多い。重圧がのしかかり、蓄積した疲労も襲い掛かる。そんな時、ベンチで鼓舞し続けているのが清田であり、その笑顔だ。34歳のベテランが見せる姿がチームをクライマックスシリーズへと導く。その先には日本一がある。
梶原紀章(千葉ロッテマリーンズ広報)
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