「大阪市廃止・特別区設置住民投票」は反対多数の結果が出た(いわゆる「都構想」)。
翌日(11月2日)の新聞各紙を見てみよう。私が気になったキーワードは「説明」だ。
『説明尽くさず 招いた失速』(朝日新聞大阪社会部長・羽根和人)
《「住民サービスが低下するのではないか」と案じる市民の声を何度も聞いた。それに対して松井市長らはオンラインを含めても住民説明会を前回より大幅に減らし、反対派の主張を「デマ」と決めつけた。本社世論調査では説明が「十分でない」と答えた人が5割を超えた。説明を尽くさない姿勢が、失速を招いた。》
産経新聞の社会面はもっと厳しい。『広報 公平性に疑問の声』として、
《大阪府と大阪市の共同部署「副首都推進局」の資料は利点を強調する内容ばかりで、推進派の大阪維新の会の主張と重なりが多い。識者は公平性に疑問を呈し、市民からも「デメリットを知りたい」との声が上がった。》
さらに、
《市が8カ所で開いた市民説明会では、松井氏や副首都局の説明に「まるでマルチ商法の説明会みたいだ」と厳しい意見も飛び出した。》
ま、マルチ商法!
思い出される2か月前の「うがい薬」騒動
さて「説明」というキーワードでどうしても思い出すのがこれ。
『うがい薬 効果あったのか』(東京新聞10月16日)
コロナウイルス対策として、吉村大阪府知事が8月に呼び掛けたポビドンヨードによるうがい。
会見から2ヵ月以上経つが、記者が調べてみたら大阪府からは「府として呼び掛けに応じた人数は把握していないし、効果も検証していない」という回答が返ってきたという。つまり言いっ放し?
吉村知事の8月のあの会見、理解を見せていたのは読売の「編集手帳」(8月5日)だった。知事の発表は効果を確かめる必要はあるが「時を争う現状の危機を踏まえての呼びかけだろう」と。