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“大阪都構想”は反対多数  「説明を尽くさない姿勢」が示す新政権の弱点とは

“大阪都構想”は反対多数 「説明を尽くさない姿勢」が示す新政権の弱点とは

「説明できることとできないことがある」

2020/11/03
note

 そもそも都構想とは何か。

《都構想はもともと大阪を成長させ、グローバルな大都市競争に打ち勝つことを主眼に置いていた。》(社説・日経新聞11月2日)

橋下徹元府知事(左)も都構想推進に尽力した ©文藝春秋

 しかし、

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《2度の住民投票に向かう過程で、都構想はサービス低下への懸念に配慮して特別区の権限や財源を重視する方向に傾き、成長への期待が薄らいだ。それなら大阪市を廃止するまでもないというのが市民の判断ではないか。》

 日経社説は各地の大都市が世界の都市と渡り合いながら成長していくには「都構想とは逆に、政令市が道府県から独立し、市域での道府県の権限と税財源を一手に握る制度」である“特別自治市構想”も選択肢に入れるよう提案している。

都構想否決による政権への影響は?

 今回の都構想否決は『政権「補完勢力」に陰り』(毎日)や『改憲・国会 影響も』(読売)と菅首相への影響も書く記事が多い。

 自民党の大阪府連が反対にもかかわらず、都構想に理解を示してきたのは維新との関係を重要視してきたからだ(読売)。

 その菅首相は先週代表質問を終えた。毎日新聞の社説には従来の発言を繰り返すだけの姿に「審議を恐れているのでは」と書かれていた(10月29日)。

 オフレコのパンケーキ懇談会だとか、密室のインタビュー形式だとか、就任して所信表明演説まで40日以上も間隔があるとか、表に出てきたがらなかった菅首相。

©文藝春秋

 照れ屋なのだろうか。それとも「裏回し」の仕事に慣れ過ぎたのか。

 でも、なりたくて首相になったのだから議論や説明をしない態度はそれこそ説明にならない。

 今週から論戦の場は予算委員会に移る。予算委は代表質問と違い一問一答形式で行われる。

《政府・与党内には「首相は丁々発止のやり取りは苦手だ」(自民党幹部)と不安視する向きもある。》(読売10月31日)

 最近は学術会議の会員候補の任命拒否は「多様性」を念頭に置いた判断だとか、「説明できることとできないことがある」(NHK番組で)と言いだした。いま一番面白い人かもしれない。予算委員会も気になる。

 でも絶対に見るなよ、見るなよ。ようやく表に出てきてくれたのだから。

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