「先輩はいつも、僕らにさわやかに挨拶してくれて、トレーニングでも、自分より一回り以上若い他の選手より重い重量のバーベルをあげたり、ランニングも欠かさずこなすなど努力し続けていました。試合では誰よりも厳しく、熱く檄を飛ばす。アニキ肌の性格で試合後は焼き肉などへ僕らを連れて行ってくれた。10人以上の大人数でも全額、先輩の奢りでした。ニュースを聞いて、本当に残念でならないです」

 こう落胆するのは、日本体育大学ハンドボール部の現役部員だ。彼が言う「先輩」とは、元ハンドボール日本代表の宮崎大輔容疑者(39)のこと。宮崎容疑者は11月2日、名古屋市内のホテルで、交際相手の女性に暴行を加えた疑いで愛知県警に逮捕された。

宮崎大輔容疑者 Ⓒ文藝春秋

 宮崎は1981年、大分県大分市生まれ。小学校時代からハンドボールを始め、2000年4月に日体大に進学。翌年には日本代表に初選出された。03年に大学を中退し、実業団の名門・「大崎電気」に入り活躍。09~10年には世界トップレベルといわれるスペイン1部リーグ「アルコベンダス」に在籍していたこともある。

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 マイナースポーツだったハンドボールの普及にもつとめていた。2006年には「スポーツマンNo.1決定戦」(TBS系)に初出場初優勝。「ハンドボール王子」とも呼ばれ、日本ハンドボール界の「顔」として君臨してきたスター選手だ。昨年からは出場機会を求めて、「大崎電気」を退社、母校である日本体育大学に再入学し、東京五輪出場に向け、昼夜トレーニングに明け暮れているはずだったが、なぜ名古屋でトラブルを起こしてしまったのか。
 

オフィシャルブログより

「実は今は丁度、練習も試合もなく、完全なオフになったばかりだったんです。先輩は『これから旅行に行く』って、嬉しそうに話していたんですけど。先輩は酒が大好きで僕ら学生の3倍は飲む、それでも僕らの前では平然としていたのですが……」(前出・日体大後輩)

 逮捕前日、宮崎容疑者は名古屋市中区内の飲食店にいた。