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 加害者意識が入り交じった地元・作業員の心境は、程度の差はあっても、共犯者としての連帯感を増幅している。社会から爪弾きにされることで強力な団結力を生む暴力団社会とひどく似ている。

 わずか1カ月あまりの勤務で原発に対する結論を出すのは短絡だろう。原発を続けるべきか、脱原発にシフトすべきか、私は確証を持った答えを出せていない。ただ、1Fの復旧作業に携わり、原発が人間の手に負えない産物であることは実感した。

※写真はイメージ ©iStock.com

「ここで見たことを口外しない」という内容の誓約書

 解雇から1カ月後、私はホールボディを受けるため、上会社の事務所に呼ばれた。私を恫喝した責任者は、まるで別人のように優しかった。

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 Jヴィレッジで各種検査や手続きを済ませた後、メーカーの現地事務所にも出かけた。テーブルにつくと、社員から「ここで見たことを口外しない」という内容の誓約書を示された。

「分かってますね」

 圧力ではあるが、社員たちの態度は優しかった。書かないで欲しい、そう懇願されているように感じた。

 挨拶を済ませ表に出ると、所長が鉢植えの植物に水遣りをしていた。

「職人と電力の間に挟まれ、すごいストレスと思いますが、これからもがんばって下さい」

「飲み友達がたくさんいるから大丈夫だよ」

 その脇の喫煙所には、「月月火水木金金」と言い放った現場監督もいた。

「お世話になりました」

 頭を下げたが無視された。