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“鉄の女”が尊敬する“信念の男”とは? 上川陽子法相は“日本版ハリス”になれるか

はんこ廃止、犯罪被害者支援…夫は東大時代のクラスメート

2020/11/12

上川氏の信念を反映した施策とは?

 そんな上川氏が今回、こだわってきた信念を反映したと言っていい施策を打ち出した。死刑執行の事実を被害者遺族にいち早く知らせる制度だ。上川氏は元々、犯罪被害者への支援・保護が不十分だとの意識が高く、04年の犯罪被害者等基本法制定にも深く関わっている。国会議員として犯罪被害者や支援団体の集会にも出席して、あいさつをする機会も多く、被害者側からも被害者支援・保護に最も理解のある国会議員の一人として信頼されてきた。

失言の多かった森まさこ前法相 ©共同通信社

 ちなみに、日本と同様に死刑制度が残る外国では、死刑囚の死刑執行に当該事件の被害者遺族が立ち会う権利を認めているケースもある。しかし、日本の場合、マスコミからの取材で初めて、身内を殺害された遺族が加害者の死刑執行を知るというケースも多く、不満の声が大きかった。

「情実の間を踏み切って、ものの見事にやりぬける」

 上川氏は今回打ち出した被害者遺族への通知制度に関し、10月23日の記者会見で「かねてから、被害者や親族の方々から、死刑が執行された際に法務省からその事実を知らせてほしいという要望を随時いただいていた。(新制度を)適切に運用していきたい」と述べた。3年前に上川氏が執行を指示したオウム事件の死刑の際は、「特例」扱いで、個別の遺族らの要望に添う形で報道発表前に関係者に連絡する対応を取っており、今回その仕組みが事実上、恒久化されることになった。

法務省 ©時事通信社

 尊敬するのは、明治維新三傑の一人「大久保利通」という上川氏。大久保と言えば、勝海舟をして「情実の間を踏み切って、ものの見事にやりぬけるのは、大久保だろうよ」と言わしめた信念の政治家だ。女性人材に事欠く自民党で、上川氏は「日本版カマラ・ハリス」になれるか。

大久保利通 ©文藝春秋

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