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同じマッチングアプリでも逆の苦しみがある

「婚活アプリを使っている人は結婚することが目標なので、最初にピンと来なくても、どうにか相手を好きになろうとする傾向があって、みんな『いい人なんだけど……』ってよく言うんですけど、後に続く言葉は『話がつまらない』『ルックスが好みじゃない』。つまり、相手にときめけない、恋をできない苦悩があるんです。

©末永裕樹/文藝春秋

 でもティンダーは真逆で、『恋しないようにしなきゃ』と思いながら相手と会う。なぜかというと、圧倒的にルックスのいい男性が揃っていて、どんなに我慢してもコロッとときめいてしまうから。でも男性の多くは遊び目的なので、好きになったら傷つくのがオチ。同じマッチングアプリでも逆の苦しみがあるんです。

 ただ私は、人生楽しむだけなら、ティンダーの方が向いてるなって感じですね。友だちからも『ひとまわり以上年下の子とよく会話できるね?』って言われましたけど、私たぶん、ピーターパン症候群なんです。だから音楽や映画の話だけで十分楽しいし、真面目な話をするとどんどん気が合わなくなる感じがあって」

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 国内における婚活・デートアプリ市場は5年後に1000億円超と予想されるなど(マッチングエージェント調べ)、マッチングアプリは出会いの選択肢のひとつとして当たり前になりつつある。男女ともに(制御できる・できないは別としても)、「結婚相手探し」「遊び」「趣味」など、用途によってマッチングアプリを使い分けているのが実態のようだ。

©末永裕樹/文藝春秋

 後編では、松本さんの半生と、マッチングアプリにハマり結果的にアプリをやめるまでの経緯に迫る。