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2020/11/18

source : 文藝春秋 digital

genre : ライフ, 社会, ライフスタイル, 読書

3時間後、マッチした相手とホテルに

 松本さんはそんな「暇な女子大生」を含め、マッチングアプリでの出来事をつぶやく女性たちをウォッチしていたと言う。

「みんな表にはできないので、Twitter上の裏アカウントでさかんにつぶやいていて、興味深いストーリーがたくさんありました。特に女の子は登録している絶対数が少ないみたいで、さみしいと思ったらその日のうちに相手を捕まえている子がほとんどでした。

©末永裕樹/文藝春秋

 ヘアもメイクもバッチリきめて出かけようとした途端、デートをドタキャンされてしまった子が、『相手みつけまーす』とつぶやいた3時間後に、マッチした相手とホテルに行ってたりとかして。

 ただその子のツイートを追いかけてみたら、どうやら沼にハマっている様子だったんです。軽い気持ちで一線を超えたらうっかり本気で好きになってしまって、相手が忘れられなくなっちゃったんですね。でも男の方の認識は、ただの“ティンダーで知り合った一夜限りの相手”。

 セフレ以上にはなれない女の子たちの苦しみを眺めては、『どんなに好みのタイプでも、このアプリで出会った男にだけは絶対にハマらない』と自制するようにしていました。それでも女の人って気持ちが伴いがちだから、体だけの関係と割り切り続けるのがどんなに大変か、私も身をもって体験しました」

『38歳バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみた結果日記』(松本千秋 著)

「Pairs(ペアーズ)」をはじめとした婚活アプリは、冒頭で松本さんが話したように、基本的には「結婚」というゴールがあり、そこがティンダーと大きく異なる点だ。

 ペアーズは本気、ティンダーは遊び――。暗黙裡にでも棲み分けができているならトラブルも回避できそうだが、アプリで恋心まで制御することはできない。ゆえにマッチングアプリでは「ねじれ現象が起こりがち」だと松本さんは言う。