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 手間をかけてメンテナンスするほど愛おしさも増していくという。さらに買った当時は意識しなかったが、歴史を重ねていくにつれて愛車が目立つようになったことも実感している。

「見知らぬ土地を走ってると『懐かしい、私も昔乗ってました』などと声を掛けられることが多いです。それにSNSなどで全国にいるスカイライン仲間と繋がって年に数回ミーティングするなど、クルマのおかげで交友関係も広がりました」

 長く乗るほど高くなるという日本の税制についてはどう思っているのか。

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「モノを大切にしてる人に対して、税金を高くすることはないよね、と古い車に乗っている友人とよく話になります。でも、確かに燃費も悪いしエコではないので、仕方ないなと納得もしてます。まぁ年に1回のことなんで、税金を気にして買い換えようと思ったことはないですし、ここまできたら限界まで乗りたいと思っています」

プジョー ©清談社

車種を愛しすぎて、修理工場の方からの紹介で

 東京都港区在住、大手重工メーカーに勤める須賀信平さん(60代、男性)も、同じクルマに長く乗り続けている。

「プジョーの504Dというクルマに40年近く乗っています。いまの愛車は2台目になるので、走行距離はまだ13万キロくらいですね。初代の504Dは私の父が80年に買ったもので、それから家族でずっと乗っていました。

 母親も運転が好きで出来るだけ乗り続けようと思ってたんですけど、2000年に壊れてしまって。違う新車の購入を検討したんですが、母親がいまさら新しいクルマの運転に慣れるのは難しいということもあって迷っていたら、修理工場の方から504オーナーを紹介していただき、そのクルマを譲り受けることになったんです。なので、2台の504を20年ずつ、計40年乗り続けていることになります」

 プジョー504は1968年に大衆向けの実用車として発売され、ヨーロッパを中心に大きな支持を集めた。日本では西部自動車販売が1980年から輸入販売をはじめており、須賀さんの父親はこの時に購入したと思われる。