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 痛み、しびれ以外の症状としては、「親指が自由に動かせなくなる」というものがある。

「OK」の意を示す指の形をするときに、親指と人差し指で輪っかを作るが、この輪っかがいびつな形になってしまう。

 他にも、親指と人差し指で小さなものをつまむことが困難になるので、ボタンの付け外しや硬貨での支払いなどに難渋することもある。

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厄介な「しびれ」…対策は?

 この症状で医療機関を受診すると、どんな検査が待っているのか。

「問診で“神経障害”であることは見当がつくので、その原因を探る検査を行います。まず気にかけなければならないのが首の神経障害が手に出ているケース。ただ、首に原因がある場合、多くは首や上腕にも症状が出るので、ある程度は見極めがつく。手首に問題があることが疑われる場合は、エコー(超音波)で正中神経の形状の変化を見たり、筋電図で神経に刺激を与えて電気の流れを見る検査が行われます。他にも特定の部位を刺激して痛みの反応を見るテストがいくつかあるので、それらを総合して診断に結び付けていくことになります」

神経障害であることが明らかになると、エコー検査などでさらに詳細を詰めていく ©️iStock.com

 手根管症候群の診断が下った場合の治療は、「腱の腫れを抑えること」が最大の目的となる。

 ステロイド剤を手首に注射して腫れを引かせる方法が手っ取り早い。

「腱にステロイド注射をすると腫れが大きく引いていくので、即効性には優れています。授乳期の女性の場合は注意が必要ですが、1回の注射で2~3カ月は効果が持続するので、痛みが強い場合にはこれを選ぶ患者さんは多い」

 男性の多くは手の使い過ぎが原因なので、前腕のマッサージなどで症状が改善することもある。夜間だけでも手と手首の安静をはかる目的でサポーターを着用して、明け方の痛みを軽減する方法もある。

 神経に作用する内服薬やむくみを引かせる漢方薬もあるにはあるが、正座で足がしびれている人に、正座は続けながらしびれ止めを使うのと同じで、効果はマイルドだ。