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進化した「半グレ」その犯罪の残忍な手口とは?〈暗号化アプリを活用、高齢者からセクシー女優まで標的〉

半グレとヤクザ#3

2020/11/15

genre : ニュース, 社会

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 警察庁は今年2月、全国で昨年4~12月に事前に自宅での現金保有状況や資産状況を聞き出す不審なアポイントメント電話が約9万件、確認されたことを明らかにしており、その後はさらに増加しているものとみられる。

SNSで「闇バイト」募集

 特殊詐欺からアポ電強盗へ――手口は変化しているが、情報を入手し事件を計画しているのは、半グレグループを中心とした犯罪集団と警察当局は見ている。

 そして、彼らが使う詐欺の受け子や強盗の実行犯は、ネット上でSNSなどを通じて「闇バイト」の募集に応じているとみられる。強盗の隠語である「#タタキ」などのハッシュタグで集められ、事件後にはすぐ解散する。そのため離合集散が激しい。組織性はなくその都度、需要に応じて集まるためまさにバイト感覚といったところだ。

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(写真はイメージ)©iStock.com

 半グレグループなどに詳しい関係者によると、実行犯らとの連絡方法は匿名性の高い「シグナル」「テレグラム」というアプリが使われることが多い。この関係者は連絡に、この手のアプリしか使わないと断言する。最近は通信内容が暗号化されるために、記録をたどれないこともあり、どういった内容の指示がなされたか不明のままになる。

 さらに、指示役と実行役が顔を合わせることがないよう、指示役が実行役を遠隔誘導することが多いため、詐欺や強盗などの事件で実行犯を逮捕することとなっても、指示役や上部組織に突き上げ捜査を進める際に障壁となり、実態解明は困難な情況となっている。

 警察当局は、半グレに対する監視をさらに強めて、関連犯罪の撲滅に向けて捜査を進める方針だ。(敬称略)

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