第2弾には『コワすぎ!』や、セミプロ『禍話』なども参戦
――そんな苦労の末、見事前作をヒットさせて第2弾が実現したわけですが、それについての率直なご感想は?
寺内 もちろん、嬉しいという感情が一番です。ありがたいことに1作目は、エンタメ~テレさん史上でも最大の反響があったそうで、世界配信にもこぎつけました。見た人が毎日のようにTwitterで感想を呟いてくださり、その熱量が第2弾の決定材料になりましたね。また、このヒットのおかげで心霊業界を去らずに済みましたし、第2弾は寝かせているアイディアを実現できると思ったからこそ引き受けました。
――今回の第2弾では視聴者が参加するネット上での公開生収録も話題になりました。
寺内 僕は“心霊ドキュメンタリー”というジャンルは、安っぽい意味じゃなくて本当に“視聴者と共存している”と思っています。僕の作品にはよくニコ生民たちを巻き込んだ展開がありますが、コメントの力によってグッと物語がおもしろくなるんですよね。それを視覚的に見せられるのが“視聴者参加の公開収録”という形なんです。正直に言うと、僕は自分以上に視聴者さんをうまく活用している監督はいないと思っています(笑)。
――第2弾では白石晃士監督の人気シリーズ『戦慄怪奇ファイルコワすぎ!』の参加も話題になりましたし、怪談ツイキャスの『禍話』といった、いわゆるセミプロ勢の参戦も注目を集めましたね。
寺内 『コワすぎ!』シリーズも加えるということに関しては、エンタメ~テレさん側のアツい要望がありました。個人的には、同作が他シリーズと比べてフィクション度強めなことに戸惑いもありましたが、ビッグネームのシリーズでもありますから、そこは乗り越えてやろう! と。いまや引っ張りだこの白石監督ですが、快く許可してくださって、今回、劇中に登場する“ヤバすぎ!”というパラレルワールド的なキャラ設定も「やりやすいように」と白石監督から提案いただきました。
『禍話』さんなどのセミプロ勢に関しても、実は1作目から出てもらいたい構想はあったんですが、最初は有名心霊ドキュメンタリー作品を押さえようと温存しておきました。なので、2作目の今回で満を持しての登場ですね! こうした方々をオファーしたのは、純粋にホラークリエイターとしてのリスペクトからで、“心霊ジャンル”を次の時代に繋げて欲しいという願いがあるからです。
ちなみに、“次の時代”で言うと、前作のラストに登場してもらったYouTuberの『ゾゾゾ』さんは、出ていただきたい構想はあったのですが、今大人気の彼らに古株が声をかけるのもおこがましいかな……と自重していたんです。けど、彼らと繋がりのあった谷口監督が「出てもらいましょうよ」と言ってくれて、それがきっかけで出演交渉したところ、ディレクターの皆口さんが熱心な心霊ドキュメンタリーファンということもあり、快諾していただけました。彼らの出演によって前作のラストは“心霊ドキュメンタリーを若手に託すような余韻”が出せましたね。第二弾にも登場してもらっているので要チェックです。