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「芸人やってた10年間が一瞬で霞みました」 歌でバズった若手芸人が感じる“特技”と“笑い”の境界線

芸人・パーパー ほしのディスコインタビュー#1

note

「とにかく歌をうまくならなきゃ」のメンタリティ

――意外と弱気ですね(笑)。

ほしの いや、だって歌もそこまで上手くないんですよ! 自分としては、ただ声が高くて、女性の曲でもなんとかキーが出る、というくらいのスタンスでいたんです。「プロレベルで上手い」とか言っていただくと、ハードルがどんどん上がっていっていて。

 テレビとかで放送があった後も「なんで全然上手くないのにこんなにもてはやされているの?」みたいなコメントも結構来ていて、「ごもっとも」と思うんですよ。自分もどういうスタンスでやったらいいのかわかんなくなっていますね。普段のキャラもあって、“歌が上手い”スタンスのほうがいいのか、“そんなにうまくないんです”という風に行った方がいいのか…でも「歌が上手い」で呼ばれているわけだし…みたいに葛藤もあって。

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 だからどっちにせよいまは「とにかく歌をうまくならなきゃ」というのがありますね。逆に売れかけの歌手みたいなメンタリティになっています。本業なんなんですかね、僕(笑)。

――YouTubeなどネットメディアの影響力が大きくなって、テレビだけが主戦場ではなくなったいまだからこその悩みかもしれませんね。

©️文藝春秋

ほしの YouTubeがなかったら今の歌もないですし、芸人にとってはSNSってすごく大事だなとは感じました。可能性を広げるというか。その分、いまが今までで一番悩んでいるというか、迷っています(笑)。ちょうど笑いの道の分岐点にいるような気がして。

 でも、せっかくこうして昔からやりたかった歌の方でも注目されたので、一番いいのは笑いと歌と、両立して何かを見せられたらいいですよね。ライブとかでネタもやりつつ歌も歌うとかは、やれたらいいなと思います。「カワイイ」と「気持ち悪い」の両立は難しいんですよ(笑)。

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。

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