玩具メーカーのタカラトミー、そしてタイツメーカーのアツギと、10月から11月にかけて企業の公式Twitterアカウントが相次いで炎上する騒動が起きた。いずれも大企業らしからぬ個性的なつぶやきで多くのファンを獲得してきたアカウントだ。とくにタカラトミーは、遊び心のある投稿でたびたびTwitterのトレンド入りをはたしてきた。

 そんな人気の公式アカウントがなぜ炎上してしまったのか。

 最大の原因は「“中の人”と世間との感覚のズレ」だと専門家は指摘する。タカラトミーやアツギの炎上について、警視庁初の公式Twitterで初代“中の人”をつとめ、そのゆるいつぶやきが人気を集めた中村健児氏(合同会社フォルクローレ代表)に話を聞いた。

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(取材・文=押尾ダン/清談社)

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2社とも投稿を削除、謝罪に追い込まれる事態へ

 まずタカラトミーとアツギの炎上の経緯について説明しよう。タカラトミーの公式アカウントが問題の投稿を行ったのは10月21日のことだ。当時、Twitter上では「#個人情報を勝手に暴露します」というハッシュタグがトレンド入りしていた。

 タカラトミーの公式アカウントは、これに便乗する形で「某小学5年生の女の子の個人情報を暴露しちゃいますね」とリカちゃんの誕生日や身長・体重、リカちゃん電話の番号などを投稿。すると「女児への性犯罪を連想させる」と批判が殺到し、タカラトミーが謝罪することになったのだ。この投稿は削除され、現在は公式アカウント自体も投稿を停止している。

 アツギの公式アカウントの場合、11月2日のタイツの日のキャンペーンとして、タイツやストッキングを穿く女性のイラストを次々に投稿。女性がスカートを持ち上げるイラストなどが含まれていたことから、やはり「ストッキングを穿く女性を性的な目で見ている」「女性をターゲットにした商品にそぐわない」などと批判が殺到し、キャンペーンの中止と謝罪へと追い込まれた。

 タカラトミーとアツギはいったい何を間違ったのか。中村氏は「Twitterでは、炎上を招きやすい投稿には大きく分けて2つのタイプがあります」と説明する。