昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2020/11/25

炎上を招きやすい投稿、2つのタイプ

「ひとつは単純に“やりすぎ”です。バズらせることを狙って悪ノリが過ぎたタカラトミーの投稿がこれに当てはまるでしょう。もうひとつは“世論の変化が大きい分野に関する投稿”です。たとえば、その代表的なものに性的なコンテンツがあります。

 刑法の『わいせつ』の定義が時代によって変わるように、性に対する考え方は時代とともに大きく変化します。そのような分野では、企業が問題ないと判断したものが一般の人の感覚では不適切と受け止められる可能性があります。発信者と受信者で受け止め方にズレが生じやすくなる。アツギの炎上はこのケースに該当します」(中村氏、以下同)

 アツギは「許容される範囲」と思ってイラストを投稿したが、受け取る側には「一線を超えている」と考える人がたくさんいた。そのため炎上したのだという。

「ただし、アツギが今回投稿したイラストは賛否が分かれており、好意的に受け止める意見もあります。必ずしも不適切であったと断ずることはできず、賛否が分かれるギリギリを攻めた結果の炎上だったのだろうと見るのが妥当だと思います」

©iStock.com

1人の担当者が運用することのメリット、デメリット

 公式アカウントが1人の“中の人”によって運用されていることも炎上の一因となっている可能性がある。中村氏によると「企業の公式アカウントは、一部のアカウントを除いて1人の担当者が運用に携わっていることが多い」という。

 とくに“中の人”の個性を出したツイートでファンを獲得している公式アカウントは、どうしても単独の運用になってしまう。今回の炎上で「ストッキング穿く女性を性的な目で見ている」と批判を浴びたアツギの“中の人”も、じつは1人の女性社員とされている。

「Twitterは極めて個人的な色彩が強いメディアです。企業がTwitterを使う最大のメリットは、双方向のコミュニケーションにより相互の信頼関係を築くこと。これは従来のマーケティングが企業のブランド力の向上に最大の価値を置いたのと対照的な世界です。そのため“中の人”という個人の信頼性が重視されるのです」

 問題は、個性でファンを獲得しやすい反面、1人運用ならではの弊害もあることだ。

z