昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

“布団を叩く音もセックスの音かと…” 「セックス依存症」と診断されるまでの”ヤバい日々”

漫画家・津島隆太さんインタビュー#1――依存症体験を発信し続ける

2020/11/12

 性的な行動に溺れる「セックス依存症」。正式には「性依存症(性的嗜癖行動)」や「強迫的性行動症」に分類される。過去にはタイガー・ウッズやビル・クリントン元大統領ら著名人が同依存症だと報道され、話題となった。

セックス依存症になりました。』(集英社)は、作者のセックス依存症と治療体験を基にした連載漫画だ。作者の津島隆太さんに、話を聞いた。(全2回の1回目。後編を読む)

聞き手・構成 ゆきどっぐ

©️杉山拓也/文藝春秋

「セックスが中心の人付き合いはもう嫌だ」

――セックス依存症に気が付いたきっかけは?

津島 4年ほど前に同棲していた15歳年下の彼女から、ハンマーとバリカンを持って襲われ、2時間ほど暴行を受けたことがきっかけでした。暴行の引き金は、私が元カノと連絡を取っているのが彼女にばれたからです。その後、彼女は家を出ていきました。

 私はショックから栄養ドリンクなどの飲み物しか胃が受け付けなくなり、不眠症に悩まされました。そうやって食べず眠らずの生活を2カ月ほど送っていると、布団を叩いたりする日常生活の音が、すべてセックスしているように感じられる幻覚と幻聴の症状が出たんです。

 当時の私は、それでも別の女性と関係を持とうとしていました。いわゆる、自分がコントロールできない「底つき状態」に陥っていたのです。

 そこで、「これは精神的におかしいな」と思って、病院に行きました。

セックス依存症になりました。<決定版>』第1話より

――ご自分でもセックス依存症じゃないかと疑って病院を受診されたんですか?

津島 そうですね。ネット検索をして、「これはセックス依存症っぽいな」とあたりをつけていました。

 というのも、彼女から暴行を受ける前から、性に関しての問題行動があったんです。私は20歳くらいから様々な女性と性的な関係を持ってきました。それは「性的なことになると人が変わる」と女性から言われるような付き合い方で、セックスをすることで、人間関係が深まると錯覚していたんだと思います。

 だけど、暴行をきっかけに、「適当な人付き合いをするのはもう嫌だ」と思うようになりました。

――病院ではなんと言われましたか?

津島 診断結果は、性依存症(セックス依存症)。嗜癖(しへき)と言って、それぞれ依存する行動があるんですが、私の場合は名前の通り「セックス」に依存するタイプでした。