20年間に及ぶセックスを中心とした生活に終止符を打ち、セックス依存症を治療するためにグループセラピーに1年半以上通った津島隆太さん。治療を続けることで、依存行為から脱する精神的素面(ソブラエティ)と呼ばれる状態まで回復する中、漫画『セックス依存症になりました。』(集英社)の連載が始まった。

 父親からの虐待経験も漫画で表現する津島には、セックス依存症の認知度を上げたいという決意が強く感じられる。漫画家として依存症体験を発信する葛藤と意義を聞いた。(全2回の2回目/前編を読む)

聞き手・構成 ゆきどっぐ

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©️杉山拓也/文藝春秋

 

感想をくれる読者のほとんどが女性

――漫画『セックス依存症になりました。』(集英社)の読者層は?

津島 正確な読者層はわかりませんが、個人のTwitterアカウントでアンケートを取ったところ、7割が女性読者でした。相談や感想をくれる方も女性が多く、年齢はバラバラなようです。

――女性読者が多いのは意外でした。

津島 それだけ悩んでいる方が多いんだと思います。女性はセックス依存症になっても、病院を受診する機会が少ない。これは、売春などの性行為が生活を支える基盤となるケースが多くあり、また加害行為として犯罪化するケースが少ないからだと思います。

セックス依存症になりました。<決定版>』第1話より

 一方、男性は風俗通いや性犯罪をきっかけに、病院を受診します。

 個人的には性依存症患者は男女同じ比率で存在すると思いますが、実際に治療している人の9割は男性です。