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「病院に通い始めた」という読者の声が嬉しい

――Twitterでは匿名で質問を受け付ける「質問箱」を設置されていますね。

津島 はい、年間2,000件くらい相談がきます。内容は、「こういう症状だけどセックス依存症ですか」とか、「彼氏が浮気をやめられない」などが多い。

 読者からの誹謗中傷も来るだろうと予測していたのですが、意外と少なかったですね。むしろ、「セックス依存症かも、と気が付いた」とか、「病院や自助グループに通い始めた」という言葉が聞けて、とても嬉しかったです。

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©️杉山拓也/文藝春秋

――好評の漫画連載ですが、そろそろ終了するかも、とTwitterでつぶやかれていました。

津島 そうですね。最初に考えていた漫画の構想が終わりに近づいてきているんです。

 長く連載を続けるなら、性依存症の中でも強姦や児童への性的行為も扱おうかなと思っていますが、どれだけ表現を控えても読者の精神的ダメージが起こりえます。漫画的表現として難しいのかもしれません。

 だから、今年いっぱいか、来年の春ごろには終わるイメージで考えています。次回作の構想はいくつかあるけど、編集者と相談中です。

――お話を聞いていると決意をもって漫画作品と向き合う様子が伝わってきました。津島先生にとって、セックス依存症について発信し続ける意義とは何ですか?

津島 セックス依存症というと特殊な病気だと思われがちですが、私のなかでは風俗通いや浮気、不倫をやめられないだけでも依存症を疑っていいと思っています。

 私が漫画にしたり、体験を話したりすることで、今後10年、20年かけてセックス依存症の認知が広がり、病院やグループセラピーに気軽に参加できるようになると嬉しいです。

©️杉山拓也/文藝春秋

 セックス依存症の方の話を聞いていると、性に厳しい家庭で育った反動で依存症となることも多い。欲を言えば、中高生くらいから話ができるように性教育の土壌がもっと育ってほしいですね。

集英社「グランドジャンプめちゃ」で『セックス依存症になりました。<決定版>』を、「めちゃコミック」で『セックス依存症になりました。』を連載中。
12/18(金)に『セックス依存症になりました。<決定版>』のコミックスが発売予定。