大反響を呼んだ新聞広告の日プロジェクト「#広告しようぜ」が記憶に新しい広告界の異端児・三浦崇宏さんと、大人気コミック『左ききのエレン』シリーズの作者かっぴーさんの対談が実現。それぞれの新著『超クリエイティブ』と『左ききのエレン』14巻の刊行を記念した特別イベント(主催:蔦屋中目黒店)のエッセンスを紹介します。

 

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三浦 今日の対談、とても楽しみにしていました。かっぴーさんと組んで仕事をした2019年の「新聞広告の日プロジェクト」のときは、楽しかったですね。

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かっぴー もう1年経ちましたよね。あれが今年の新聞広告賞を受賞して、先日表彰式にも参加させて頂いて、本当に楽しかったです。

三浦 今日はせっかくだから、今だから話せるあの広告の裏側からお話ししましょうか。毎年、朝日新聞さんが10月20日に新聞広告の日というキャンペーンをやってるんですが、その日に何か象徴的な新しいことをやりたいから企画を考えてほしいと弊社GOに相談を頂いたんです。僕ら広告クリエイターにとって、新聞広告を作れるのは選ばれし者だからすごく嬉しくて。

 

かっぴー わかります。僕も広告代理店時代、新聞広告やりてー!と思ってましたから。

三浦 でもよくよく話を聞いたら、予算がすごく限られていた。だったら引き受ける代わりに新聞15段じゃなくて30段使わせてくれって言ったんですよ。新聞に漫画が片面に載ってもあまり驚かれないけど、あけた瞬間、見開き全部が漫画だったら絶対ビックリするぞと思って。

かっぴー たしかにぜんぜん違う。

 

三浦 かっぴーさんには「30段全部『左ききのエレン』を描いてほしい」ってお願いしに行きましたが、漫画のファンだけで話題を終わらせたくなかったから現実世界と組み合わせました。

 まずアイウェアカンパニーJINSから、競合プレゼンのオファーを頂きました。それを軸に『左ききのエレン』の主人公である目黒広告社の朝倉光一と現実に存在する広告会社GOが競うストーリーを設定しました。両者の広告案をSNSで票を競って、勝ったほうが翌月の朝日新聞に実際に掲載されるという仕立てです。