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“豪運”安倍首相「ミサイル解散」のゆくえ

「人柄を信用できない」35%対「北朝鮮のミサイルが怖い」87%の戦い

2017/09/21
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一方、小池女史率いる都民ファーストは

 もうひとつの受け皿とされた小池百合子女史率いる都民ファーストの会の国政進出は、なぜか若狭勝さんが中心になって候補者選びに奔走するとかいう話になっておるようです。ところが、いろんな人に出馬の声をかけて回っているものの、肝心の出馬費用が党として出せないとかで候補者の弾を揃えられず苦労しているとマクドナルドで隣の席になった女子高生たちが噂をしていました。

 細野さんが子分議員3人を連れて若狭さんと合流して、何とか政党要件を満たす国会議員5名を確保する見通しになったまではいいんです。まあ、忍者・渡辺喜美さんはどうなったんだというのは置いといて。でも小池百合子女史にこの政党の党首への就任打診をする一方、若狭さんがなぜか一院制にこだわりすぎて長島昭久さんに逃げられたり、立てる候補者に払う供託金がないのか民進党の人々に「民進党で立ってから若狭新党に来い」と強引な一本釣りを披露して即座にバレて盛大に民進党と揉めるとか凄いなあと思うわけです。民進党も馬鹿にされすぎだし、若狭新党も先のことを何も考えていないし、細野さんももうちょっとスマートなやり方あるだろうと思うし、小池百合子女史もまったく仕切れてないんですよね。受け皿になる前にヒビ入ってて困ります。これだと小池百合子女史が前面に立って選挙協力しない限り若狭勝さんは議席を確保できても「あの人、いうほど大した人じゃないんじゃないの?」とか言われかねず、小池女史だって負け戦が見えているところにわざわざ子分のために泥をかぶりに行くような女性ではないでしょう。だってあの小池百合子女史ですよ。

若狭勝さん ©杉山拓也/文藝春秋

 そうなると、やはり民進党がどこまで党内統制をやり遂げて反転攻勢に出られるのか、というあたりが肝になります。ここで一発捲土重来、負け運の名将、前村誠司が大逆転の議席大幅増まで狙えるのかどうか、といったところでしょうか。いっそいままでの旧怨は忘れ、お互い日本の将来のために頑張りましょうと新代表・前方宙返り誠司さんが膝を屈して叩き上げの女帝小池百合子女史のハーツに火を灯せば泣き所の都市部の票も集められ、支持母体の連合東京もニッコリ、窮余の策として共産党との候補者調整はあっても二大政党制を目指す党是にジャストフィットする方向性なので失われた有権者からの信頼も戻ってくるかもしれません。こないかもしれないけど。ただなんつーか、小池百合子女史の子分選びの変遷を見るに、長く続く人はみんなイケメンなのであります。ある種の乙女ゲーと言いますか。やっぱツキのある安倍晋三さんと互角に戦うには、ツキでのし上がってきた小池百合子女史と世紀の野合を実現できてこそ、臥薪嘗胆から再起してきた前橋営業所誠司さんの覇道が拓けるのではないかと思い期待しております。

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内閣が倒れるほどの負け方はないという前提での「日米首脳会談」

 とか何とか書いておりましたら、先ほど速報で「日米首脳会談は11月6日で調整」とかいうニュースが流れてまいりました。要するに、内閣が倒れるほどの負け方はないので安倍政権が続く前提で安倍ちゃんとトランプさんとで対談するということでしょうし、そのうちの重要な話の一つは北朝鮮関連でしょうから、それまで「アメリカ側が北朝鮮に対して仕掛ける予定はないのだ」ということになりかねません。その間に煽りに煽られている北朝鮮有事に引っ掛けて回復した内閣支持率で選挙やっちまえ、というのは実に安倍ちゃんの人柄を示しているようで何より興味深いところでございます。

 さて、民進党の前方後円墳誠司さんの未来やいかに。

©getty
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