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「100人に1人の才能のなさと言われて」“街ディスり”の納言・薄幸が「やさぐれ」に辿り着くまで

「100人に1人の才能のなさと言われて」“街ディスり”の納言・薄幸が「やさぐれ」に辿り着くまで

納言・薄幸さんインタビュー#1

2020/12/06

genre : エンタメ, 芸能

note

当時の事務所の人に言われたこと……知られざる子役時代

――幸さんは芸人になる前に子役をやっていたと伺いました。そう考えると芸歴はめちゃめちゃ長い。

 まあでも、子役を芸歴に入れる芸人、マジでサブいなって思っちゃいます。

――(笑)。子役はご家族のすすめで始めたのですか?

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 自分からです。自分が勝手に送って、勝手に行ってという感じです。親からは反対されてましたね。

――では芸人ではなく俳優になりたかった?

 そうです。でも私、才能がないみたいで。100人に1人、演技の才能がないまま生まれちゃう赤ちゃんが居るらしくて、その子はどうあがいても無理なんですって。「それが幸だよ」って、その時の事務所の人に言われました(笑)。

 

――それは……慰めですか?(笑) 

 やめさせようと思ったんでしょうね。もうこの子は無理だって。私はそれ聞いて「100人に1人ってまあまあ多いな」と思いましたが(笑)。 

子役をやってよかったことは……

――勝手なイメージですけど、幸さんはシャイな感じがして。子役時代、演じることは恥ずかしくなかったですか?

 今は恥ずかしいです。でもその時は全力でやってて、それでも何の役ももらえなかった。ずっと幸なんですよね。どんな役をやっても、そのまま私になっちゃう。でも、キムタクもそうですけどね。

――そこまでいくと「○○節」になりますね。

 そうなんです。ただ何せ幸なんで。キムタクだったらよかったんですけど。

 

――でも、子役時代ってそれこそ周りは年上の人ばっかりじゃないですか。

 そうですね。それで、子どもらしくなくなっちゃったっていうのはあると思います。

――子役時代に培われたものはありますか? 今の仕事をやるにあたって「子役やっててよかったな」ということは。

 挨拶とか礼儀とかは、芸人になってからのほうが全然厳しかったので、子役時代はあんまり。いまだに全然緊張もするし、演技もうまくないからコントもできない。売れてる人で子役時代仲良かった女優とかもいないですし。ゼロですね(笑)。