――「赤羽の女は墓参りしない」と言われると、なぜか納得してしまう自分がいますね。
薄 最近はどんどん赤羽と蒲田ばっかりになってきちゃってて(笑)。一番言いやすい。きれいな街はやっぱり難しいんですよ。
――あれはどういう風に考えるんですか? 路線図を前にしてとか?
薄 路線図見ますね。でも、「下の句」って言うんですか。「赤羽は」が上の句なら「墓参りしない」の方を先に考えてます。そこに後から駅名を当てはめる感じです。ただ、営業のときはちゃんと調べてます。その街のことを。
――ちゃんとしてる。政治家みたい。
薄 政治家みたいですか(笑)。
男女コンビだったら女が書いたほうが強みが出る気がする
――今、男女コンビの女性のほうがネタを書くパターンが増えている気がします。
薄 そうですね。蛙亭とか。ラランドは一応2人で書いてるみたいですけど、まあ、あれはほぼサーヤでしょうね。
――それも「第7世代」っぽさでしょうか。
薄 そうですね。やっぱり男女コンビだったら女が書いたほうが強みが出る気がしますけどね。女の脳みそと男の脳みそは違うんで、せっかく男女でやってるんだったら、女が書いたほうがいいのかなと私は思ってます。
――なるほど。例えばどういうところが?
薄 女の偏見とかはたぶん女からしか出てこないと思う。この前のM-1予選でやったのだと「野球選手の奥さんは失礼な女しかいないだろ」みたいな。あれはたぶん安部には思いつかないというか。
――それが、女性・女性コンビじゃなくて、女性・男性コンビだからこそ生かされるみたいなところは?
薄 どうなんだろう。でも、私たちの場合はピンでやってたら毒が強すぎちゃうと思う。ちゃんと安部に訂正を入れてもらえるので。R-1に出た時、漫談で同じようなことをしてたんですけど、やっぱりちょっと自分で言ってても怖いですもん。
――そこの感覚はきっと大事ですよね。街ディスりでも、その「これ以上言ったら怖い」ラインはすごく守ってらっしゃるのかなと思いました。
薄 最近安部は、私が街ディスりした後に「そんなことないよ」とかちょろっとツッコミを入れてくれるんですけど、最初は何もなくて。
普通に「赤羽は○○だな」の後に「すいません、お姉さん」ってスルーで入ってきたんですけど、それを有田さんが見て「あれは絶対ツッコまないと。幸が悪者に見えちゃうから」ってアドバイスをくれて、それでああいう形になりました。