文春オンライン

特集女芸人の今

「“街ディス”は下の句から考えます」納言・薄幸が考える「男女コンビ、女がネタを書く意味」

「“街ディス”は下の句から考えます」納言・薄幸が考える「男女コンビ、女がネタを書く意味」

納言・薄幸さんインタビュー#2

2020/12/06

genre : エンタメ, 芸能

note

――今、男・男コンビでも、ワチャワチャしててほしいみたいな、そういう願望ありますもんね。

 なんでなんでしょうね、あれ。コンビ仲いいとうれしいのか。勝手にBL風なイラスト描いてたりしますもんね。ブームなんでしょうけど。

――もしかしたらその延長かもしれないですね。安部さんと付き合って欲しいと思うのも。

ADVERTISEMENT

 そうですね。でも、男女コンビってファンが絶対つきにくい気がするんですよね。見方が分からないですもんね。女ファンも男ファンも。近くに性別の違う人がいるから。だからすげえ人気ないなって思います、私たち。

 

――男女コンビというフォーマット自体がファンを減らしているところもあると?

 そうですね。減らしてる気がしますけどね。ゆにばーすさんも面白いけど、たぶん人気はないと思うし。蛙亭もそんな気がする。

――キャーって言われる感じはないかもしれない。

 キャーはないですよね。本当にお笑いが好きな人しか来ない。ほんとに私たちが出るライブもスカスカだし。主催者は喜んで「納言が出ます」みたいに書いてくれるんですけど、全然(笑)。申し訳ない。

 女芸人にはおじさんファンがいるもんですけど、やっぱり男女コンビは別みたいで。でもちゃんとしたお笑いファンが見にきてくれるということでもあって、勉強になりますね。

15秒じゃキャラも出せねえよ

――ネタ上のキャラに、自分の私生活まで脅かされる怖さみたいなものはありますか? 

 コレ、昨日もそうだったんですけど、仕事で歌舞伎町歩いてたら、いかついジジイがバーッと来て、「おい、納言の人じゃん」みたいな。で、普通に返してたら「キャラ全然違えな。面白くねえな!」って吐き捨ててどっか行きました。

 

――何を求めてやってきたのよ……という。 

 一回肩パンされたこともあります。クリスマスに渋谷歩いてたら知らんカップルに「渋谷はどんな街ですか?」って聞かれて「クリスマスに渋谷選ぶカップル、すぐ別れるな」みたいなことを言ったら、男のほうに「ウィ~」って肩パンされました。そういうの、すっげえ嫌ですね。

――あるんですね、そういうの。

 ありますね。普通に声かけていただける分にはありがたいんですけど。

――視聴者が芸人に対して、テレビの中でのことをプライベートでも求めてくるのは、昭和平成の時代と変わってないのかもしれないですね。

 そこ成長してないですね、ほんとに。「キャラ違うじゃん」とか、なんで15秒ぐらいしゃべっただけで分かるんだよ、っていう。15秒じゃキャラも出せねえよ、と思いながら(笑)。