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特集女芸人の今

「100人に1人の才能のなさと言われて」“街ディスり”の納言・薄幸が「やさぐれ」に辿り着くまで

納言・薄幸さんインタビュー#1

2020/12/06

genre : エンタメ, 芸能

 今、女性芸人の世界が揺れている。女性芸人といえば、当たり前のように「ブス」「デブ」「非モテ」をいじられ、そこで強烈なインパクトを残すことが成功への足がかりとされてきた。

 しかし、持って生まれた容姿や未婚か既婚かどうかの社会属性などを「笑う」ことに対して、今世間は「NO」という意思表示をし始めている。「個人としての感覚」と「テレビが求めるもの」、そして「社会の流れ」。3つの評価軸の中に揉まれながら、女性芸人たちは新たな「面白さ」を探し始めている 。

「やさぐれ」。辞書で調べると「家出人、宿無し。転じて、無気力でいい加減なこと。投げやりなこと」とある。

「やさぐれ」女キャラで今年ブレイクした納言の薄幸(すすきみゆき)。ネタ上でタバコを吸い、街をディスり、「やっすい女」と自称する。私生活でのその豪快な飲みっぷりでも露出を増やしている彼女。女の「やさぐれ」は芸人界においてどんな威力を発揮しているのか。彼女が「やさぐれ」にたどり着いた経緯を辿る。(全2回の1回目/2回目を読む)

◆◆◆

男女コンビを組んだ理由は

――薄幸さんも出演されていた『アメトーーク!』の若手女芸人の回、すごく話題になりましたよね。そこでもテーマにあった「容姿いじり」問題ですが、幸さんはどんな風に考えていますか。

 そうですね。容姿いじりは有吉(弘行)さんにしかされないからあ(笑)。なので……経験があまりないのはありますけど、でも、男もブスいじりされてるから、別に女もされていいんじゃねえか、みたいに私は思いますけどね。

――確かに。女性だと、まず容姿いじりありきの感じになるのが問題なのかなと。ネタを見てほしいのに、そっちが先に来ちゃうとか。

 どうなんでしょう。でも、ぼる塾とかはあのフォルムだから面白かったりするわけですからね。そこを否定されると、本人たちがきついと思います。

納言・薄幸さん

――「お笑い第7世代」の男女コンビの活躍が著しいです。幸さんはどうして男女コンビを組んだのでしょうか?

 男女コンビを組みたいという気持ちは特になかったですね。前のコンビが女コンビで、一瞬ピンになって、全然調子よくなかったんですよ。「もうやめてもいいかな」ぐらいの時に安部(紀克)に誘われたんで。で、勝手にネタも書いて送ってきたりしてたんで、「一回試しでやってやるか」ぐらいの気持ちで組みました。

 別に半年ぐらいで解散してもいいかなとか思ってたんですけど、結構調子がよくてテレビにもすぐ出れたんで、ダラダラやってる感じですね(笑)。

好きなタバコと酒がネタになる幸せ

――今ブレイクされてる「やさぐれキャラ」はいつ頃から確立されたんですか?

 (結成して)半年いかないぐらいでもうあの形にはなってました。最初は、当時風俗嬢のスカウトをすげえされてたんで、それがすごい嫌だみたいな話を安部としてて、それをネタにできないかなって。その時に「鶯谷とか言ったほうが分かりやすいかな」というのと「1本タバコ吸ってからやるわ」と。そうしたら、こっち(タバコ)のほうがウケてたので。これを毎回入れよう、って感じでした。

 

――自分の好きなものを入れた(笑)。

 そうですね。タバコも酒ももともとメチャメチャ好きでしたし。それがネタになるなんてほんと幸せですよね。酒飲む仕事もそうですけど、金もらって酒飲めるなんて考えてもいなかったです。