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“米作りマジック”を生み出す3つの「タネ」

 この“米作りマジック”には3つの「タネ」があります。

 まず、米作りが絶妙のゲームバランスを保った「育成ゲーム」になっていることです。天候に左右される上に、水位と水温の調整、水を抜く中干しなど程よく手間がかかります。実際に米作り農家が行なっている「ポイント」がしっかり押さえられているといえるでしょう。一方で、数時間のプレーで収穫できるので、短時間で次の挑戦ができます。

©2020 Edelweiss. Licensed to and published by XSEED Games / Marvelous USA, Inc. and Marvelous, Inc.
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 またゲームらしく、米作りをする上での数字データは表示されるのですが、具体的に何を示すかは明確に教えてくれません。ゲーム中に与えられるヒントを元にしても相応の米は作れるのですが、もっと上を目指そうと必死に手がかりを探すと、農林水産省やJAのサイトに書かれている本物の「米作り」の知識がかなり参考になってしまいます。

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©2020 Edelweiss. Licensed to and published by XSEED Games / Marvelous USA, Inc. and Marvelous, Inc.

 流石に「攻略WIKIになっている」とまではいえないかと思いますが、普通、ゲームをやりこむために農水省やJAのサイトを熟読したりはしませんから、あまりにユニークすぎる状態になってしまうのは間違いないでしょう。

やりこむほど出てくる「上達感」

 次に、ゲームを進めると、米作りに必要なアシスト機能が増えていくことです。雑草はより早く抜け、田植えの感覚も楽になります。やりこむほど「上達感」が出るうえに、米作りにより集中できるようになるのです。

©2020 Edelweiss. Licensed to and published by XSEED Games / Marvelous USA, Inc. and Marvelous, Inc.
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 さらに祈祷を使ってある程度天候をコントロールしたり、農具の開発、カモを使って害虫を防ぎ、牛を使って田を耕すこともできます。最初は悪戦苦闘した米作りが、進めるうちにどんどんスムーズになっていき、楽になる仕掛けになっています。

飽きさせないアクション要素

 そして最後のポイントが、米作りと並行して行う島の冒険です。今作、アクションゲームとしても楽しめるようになっていて、さまざまな技、伸縮自在の羽衣を駆使して、各ステージを攻略していきます。食料はもちろん、武器を作ったり、上質な肥料を作るための素材を探すため隅々まで調べていくのですが、時間が経過して夜になると敵が強くなるうえ、サクナヒメも空腹になるので自宅に帰ることになります。もちろん、ゲームが苦手な人は難易度を低くすることもできます。

アクションゲームとしても秀逸 ©2020 Edelweiss. Licensed to and published by XSEED Games / Marvelous USA, Inc. and Marvelous, Inc.

 また手に入れた食料は時間の経過で傷むので、早めに料理するのがコツです。料理ではなく、保存食に加工もできますが、より多くの材料が必要なので、「すぐに食べるもの」「余ったものは保存食」と、成果に応じて都度変更するなどサイクルができあがるのです。