文春オンライン

2020/12/07

「20年かけてやる」ことを“今年一気にやる”状態

 その後の流れは皆さまご存知のとおりだ。突然新型コロナウイルスがやってきてすべてを変えてしまい、電車のお客は激減。朝の通勤時間はだいぶ以前のような混雑が戻ってきたが、終電間際のお客はいまでも少ないままだ。

 さらに終電後の保守要員の確保も深刻な課題。もとより、JR西日本はコロナなんて誰も知らなかった昨年10月に終電繰り上げの検討を発表している。理由は保守点検作業員の労働環境改善である。

 最近、取材などで鉄道会社の人たちと会うとき「20年くらいかけて進めていこうとしていたことを今年急にやらされているような感覚」という話をすることが多い。夜間作業の環境改善も人員確保も人口減少時代=利用者の減少に合わせた輸送サービスの展開も、向こう数十年で徐々に対応していくつもりだったのだろう。それが、コロナとともに急にやってきた。バブル崩壊と終電閑古鳥もそうだが、まさに一寸先は闇、なのである。

©iStock.com

 しかし、どうしたところで来年の春から終電は早くなる。いまの終電時間で迎える年末は今年が最後だ(残念ながら終電まで酒に飲まれるようなことは許されなそうだ)。

 終電は1日を締めくくるひと区切り。たくさんのドラマがある。最終電車がいつ出発するか、そしてその最終電車を取り巻く光景は、その時代のひとつの写し鏡なのかもしれない。

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