このところ、「終電」をめぐる話題が沸騰している。JRから大手私鉄まであらゆる鉄道事業者がこぞって「終電の繰り上げ」を発表したからだ。事業者によって多少の違いはあるが、少なくとも来年の春に首都圏ではほとんどの路線が約30分終電が早まることになる。新型コロナウイルスの影響で深夜の利用者が減っていることや、終電後の保線作業などの時間確保が目的だという。

 で、この終電繰り上げの是非だとかどんな影響を及ぼすのかだとか、そういったことはそれぞれご専門の方がいると思うのでそちらで議論していただければいいと思う。個人的には、30分程度の繰り上げの影響が直撃するような人はあまり多くないのではないかと思うが、まあそのあたりは人それぞれだろう。

最終深夜1時過ぎ…終電はいつからこんなに遅くなった?

 ならばここで何を書くかといえば、いったいいまの終電、いつからこんなに遅くなったのかという問題である。例えば、首都圏で一番遅い終電は品川駅を1時2分に出発する京浜東北線蒲田行。深夜の1時過ぎである。昔の言い方ならば丑の刻。お化けたちも「今日はどこに出てやろうか」などと話し合っている頃合いだ。

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終電の繰り上げが発表された日本列島。いつからこんなに遅くまで走るようになったのか… ©iStock.com

 そんな時間まで終電があるから延々と働かされるんじゃ、と文句を言いたくなる人もいるに違いない。逆に遅くまで電車があるからついつい飲みすぎてしまうなどと、終電のせいにして自制心を捨てている人もいるかも知れない。

 いずれにしても、いつもの師走ならばこの終電がまた実に混み合う。19時ごろに始まった忘年会を二次会三次会と飲み継いで、泥酔いで終電に駆け込む人が多くなる。今年はコロナのせいでそんなことはなさそうだが、良くも悪くも我が国の終電間際というのはかなり独特な光景なのではないかと思っている。