「昨晩は一睡もできませんでした。石や葉っぱをどかしながら遺体を探す音、車のドアの開閉音がずっと聞こえていて……。気が付いたら朝になっていて、家を出ると規制線の前にはマスコミが20人くらい集まっていました。もちろん亡くなられた方が一番辛いのでしょうが、家の目の前に遺体が埋まっていたことを毎日思い出すようになると思うと……」

 憔悴しきった様子でそう話すのは、遺体発見現場となった栃木県那須町の別荘地のすぐ近くに住む住民だ。

佐藤喜人容疑者 ©文藝春秋 撮影・細田忠

「抵抗されたので首を絞めて殺した」と供述

 9月下旬から行方不明になっていた東京・豊島区南長崎在住の富塚沙織さん(35)が12月5日、栃木県那須町の山中で遺体となって発見された。

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富塚沙織さん(Facebookより)

 富塚さんの死体を遺棄した容疑で逮捕されたのは、豊島区目白5丁目に住む保育士・佐藤喜人容疑者(29)だった。佐藤容疑者は今年9月下旬、面識のない富塚さんの自宅に侵入し、那須町の別荘地に遺体を遺棄したとみられる。

「今月5日、行方不明になった富塚さんについて捜査を進めていた警察が任意で佐藤容疑者を事情聴取したところ、佐藤容疑者が『女性の遺体を埋めた』と供述し、犯行が明らかになりました。遺体は佐藤容疑者の親族が所有するとみられる那須町の別荘の敷地内で見つかりました。

遺体遺棄現場となった那須町の別荘地 ©文藝春秋

 逮捕後の取り調べに対し、佐藤容疑者は『面識はなかった』『鍵が開いていたので金を奪う目的で女性の部屋に侵入したが、抵抗されたので首を絞めて殺害した』『スコップで穴を掘って埋めた』などと供述しています。しかし、過去にも女性に対してわいせつ行為に及ぶなどの問題をおこしており、金銭目的以外の犯行の可能性も視野に入れて捜査しています」(捜査関係者)