40代既婚男性は「誰かと仕事以外の話をしたかったんだ」
男性たちとの関係は、それぞれにコロナの影響が滲んでいる。
美容整形関係の仕事をする40代既婚男性とは、以前なら1回6万円のお手当で「大人の関係」ありのデートをしていた。ところが「ステイホーム」が奨励された緊急事態宣言中、術後に人目を気にせずにすむことで美容整形の需要が急増。男性が多忙になり、会えない時期が続いた。最近ようやく再会すると、すっかり雰囲気が変わっていた。
「美容整形は収束に向かっていて新規事業を立ち上げるそうで、これからは美容より健康だ、とおっしゃっていました。でも、すごく疲れ切っていました。前はエネルギーに溢れていたんですけれども……。ワインを飲んだらすぐお仕事に戻られました」
男性はお酒に付き合った優子さんに1万円のお手当を渡し、別れ際に「誰かと仕事以外の話をしたかったんだ」とつぶやいたという。
旅行するなど最も親しかった会社員の40代既婚男性は、コロナ禍でリモートワークになって以降、会う機会がない。しかし最近、「ワーケーションでどこかへ行きたい」と連絡があった。ワーケーションとは、リゾート地などで働きながら休暇を取る過ごし方のことで、コロナ禍で推奨されるようになった。それなら名目が立つから、と優子さんにメッセージを送りつつも、家族の目を気にしてまだ実行に移せないようだ。
「都合のいい女」を求める男性はかえって好都合
一方、新規のオファーは遠方からが続いている。共通項は「古風でおしとやかそうな女性」を探していること。なかでも急接近したのが、西日本の40代男性。妻子のいる中小企業社長だ。優子さんは言う。
「コロナ禍で家にいる子どもたちが元気すぎて、仕事を終えて帰宅しても心が休まらないし、以前のように飲みにも行けない。そんな生活で寂しい気持ちがあって、デートクラブにたどり着いたとのことでした」
男性はコロナが感染拡大する前、出張先のキャバクラで知り合った女性と深い仲になっていた。だがコロナ禍が長引くにつれ、女性が夜間に泣きながら電話してきたり、しきりに会おうとしたりしたため、家庭崩壊のリスクを考えて別れを切り出したらしい。
つまり男性は「都合のいい女」を求めていた。しかし優子さんは、かえってその方が好都合だと話す。