12月9日、auが大炎上した。
その日の午前中、KDDIでは「au新サービス発表会」をネット中継していたのだが、内容を見たネット民から「さよならau」「期待外れ」と大バッシングを浴びたのだ。
止められなかった発表会
理由は2つある。
ひとつは、発表されたのは新料金プランであったが、前の週にNTTドコモが発表した月額2980円の「ahamo(アハモ)」に全く対抗できていない代物だったからだ。多くのauユーザーとすればauでも月額2980円のプランを出してくれると期待していた。しかし、発表されたのは、データ使い放題のプランに月額500円の「Amazonプライム」がついてくるというものでしかなかった。
auではすでにNetflixやYouTubeプレミアムなどの有料コンテンツの利用料をセットにしたプランが好評で、今回もその延長線上になるプランであったが、発表したタイミングが悪かった。
NTTドコモがahamoを発表し、世間の注目をかなり浴びていたので、KDDIとしても発表会自体を延期あるいは中身を変えるということも検討したようだが、Amazonというパートナーがいる手前、KDDIの独自判断ではどうにもならない。しかも、サービス提供開始が2日後の11日に決まっていることもあり、発表会自体を止めることができなかったようだ。
変わらなかった「たちの悪い」料金表示
もうひとつ、炎上した理由として挙げられるのが「わかりにくい金額表示」だ。
発表会のプレゼン資料では「月額3760円から」とアピールされていたが、実際は9350円のプランだ。「家族4人での複数回線割引」「固定回線とのセット割」「5Gへの切り替えに伴うキャンペーン」などを適用して、なんとか3760円になるというものだ。本来であれば、9350円をしっかりと表記する必要があると思うのだが、割引後の安い金額しか見せないというのが、たちが悪い。
このあたりのわかりにくい金額表示は、再三、問題視されており、一部メディアも「改めるべき」と指摘しているのだが、ちっとも自浄作用が働かない。
12月9日には、武田良太総務大臣と井上信治内閣府特命担当大臣のほか、公正取引委員会や消費者庁が参加する会議が開かれ、携帯電話における広告表示を見直していくという方向性が示されていた。携帯電話会社として早急に金額表示のあり方を改めないことには、関係省庁から指導が入る可能性がありそうだ。
大きな山場は「2021年の3月」
結局、KDDIによるahamo対抗プランは肩透かしに終わってしまった。このまま、来年3月にahamoが始まることで、auやソフトバンクからユーザーが殺到し、NTTドコモの一人勝ちになるのだろうか。