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 街中にあるドコモショップは、実際のところ、NTTドコモの直営ではなく、販売代理店が運営しているのがほとんどだ。最近はユーザーの新規契約も頭打ちとなっており、また総務省による規制によってスマホの販売台数も落ち込んでいる。一方で、平日の昼間などはシニアのユーザーが集まり、サポートに手を焼いている状態だ。

 NTTドコモでは12月から、店頭でメルカリやモバイルSuica、フェイスブック、インスタグラム、LINE、ツイッター、ポケモンGOなどのアプリの初期設定を店員が行う際には1650円の手数料を徴収するようになった。

 今後、サポートに関しては有料というのが当たり前になってくるだろうし、オンライン契約が中心となるahamoユーザーが増えれば、街中からドコモショップが消滅していくということも有り得そうだ。まさにahamoはNTTドコモにとってみれば、ドコモショップを運営する販売代理店をリストラしていく格好の材料となるわけだ。

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3月までに何をすべきか

 販売代理店が重荷になっているのはKDDIもソフトバンクも変わらない。つまり、この2社もahamoに対抗するためには、「オンライン契約のみ」という料金プランを設定してくる可能性が極めて高い。

 KDDIではすでにシンガポールに本社のある、オンライン型携帯電話事業で実績のあるサークルズアジア社とパートナーとなっている。サークルズアジア社は、オンライン上で契約を行い、自分の必要なデータ量を選び、eSIMを発行することで、スマホが使えるようになるというサービスを提供している。

 通常、スマホにはSIMカードという、契約情報が記録されたプラスティックのICカードを挿入して利用するが、eSIMはそうした契約情報を直接、スマホ本体にオンラインで書き込めるようになっている。つまり、深夜にパソコンで「別の携帯電話会社に乗り換えよう」という時にも、その場で手続きを完了させて、スマホに契約情報を書き込むことが可能となる。

 KDDIでは「KDDI Digital Life」という会社をつくり、新サービスの開発に乗り出しており、来年春にも提供する計画だ。

ワイモバイル、LINEモバイルとマルチブランド戦略をとるソフトバンク(筆者撮影)

 ソフトバンクは、実は女優の本田翼さんが出演するCMでもおなじみの「LINEモバイル」を展開している。ソフトバンクとワイモバイルはショップを運営しているが、LINEモバイルはネットを中心にユーザーを増やしている。ソフトバンクとしても、ショップを運営しているブランドでahamoに対抗するよりも、ネットがメインのLINEモバイルのほうがやりやすいのは間違いない。

 つまり、スマホの料金を劇的に安くしたいのであれば、各社が一斉にサービスを開始するであろう来年3月までに「自分は毎月、データ容量をどれだけ使っているか」を確認することが大切だ。その容量に見合ったプランを、いま契約しているキャリアのブランドや新しい料金プランから探し出し、オンラインで変更手続きを行う覚悟をしておこう。