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 逆に、選手時代と変わらない部分もある。

「生放送のお仕事は、ビーチバレーと似ています。試合前に練習して戦術を練るように、番組の前には司会からこういう質問がくるかもしれないと想定して予習しておきます。本番中に想定していた質問がきたら、相手の攻撃を読んで拾うレシーブと同じように『それ待っていましたよ』って(笑)。もちろんコメンテーターとしてまだまだなので、日々勉強中です。この前はモノマネを振られて、それに上手い返しができませんでしたから! 生放送もビーチバレーと同じように二度と同じ風は吹きませんからね(笑)」

©️文藝春秋

2人を育てる母親となって

 いまはタレントとして充実した日々を送っている浅尾は来年2021年、選手時代には届かなかったオリンピックという舞台に「聖火ランナー」という形でたずさわる予定だ。

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「自分が立てなかった舞台と関われるのは、本当にうれしい。オリンピックは日本中がひとつの応援団となって熱くなれたらいいですね。あと、個人的には子どもたちがオリンピックで応援したい! と張り切っていて。それも立派な参加ですよね」

「子どもたちにビーチバレーを見せたくて」

 やんちゃ盛りの男の子2人を育てる母親である浅尾は、すでに観戦チケットも用意しているという。

©文藝春秋

 そんなビーチバレーの魅力とはどこにあるのだろうか?

「ビーチバレーはアタッカー、セッター、リベロの役を2人でこなしながらボールをつなぐスポーツです。1本目のレシーブでミスをしても、パートナーが2本目でカバーしていいトスを上げれば、それはミスじゃなくなってすごいアタックが打てる。

 ひとつひとつ、“思いやり”の積み重ねで、チームが成り立っているというところに注目してほしいですね。興味がある方は、一度でいいからやってほしい。メンバーチェンジもなくてしんどいかもしれないけど、自分次第なのでその分面白いですよ!」

 そう胸を張って語った浅尾の表情は、優しさと自信にあふれた「肝っ玉母さん」のようだった。

インタビュー写真=杉山拓也/文藝春秋

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