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内親王であり、天皇の娘である愛子さま

 愛子さまと紀宮さまは、内親王であり天皇の娘だ。私は皇室の取材を続けてきたなかで、宮内庁関係者が語ったある言葉を時折思い出す。

「ここは、天皇皇后両陛下と皇太子同妃両殿下が京都市内にお越しになるとお泊りになるところです。宮家の皇族方は宿泊できない。つまり、愛子さまは東宮家のお子様ならではのご体験をされたのです」

 この言葉は、2016年夏、NHKのスクープで天皇陛下(現・上皇さま)が退位の意向をお持ちであることが明るみに出た直後、7月21日に皇太子ご一家(当時)が神武天皇陵を参拝され、京都大宮御所に宿泊されたことの意味を解説するものだった。どちらも、愛子さまにとっては初めてことだった。

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2016年7月21日、神武天皇陵ご参拝 ©JMPA

 もしかすると愛子さまが、ご自身の立場を強く自覚された機会の一つになったのではないだろうか、と思うのだ。この年の夏はご一家で、第1回「山の日」記念全国大会に臨席されるなど、お出ましも多かった。次第に愛子さまはほっそりとした姿を見せられるようになり、多くの国民が心配しながら見守っていた。過度なダイエットが理由とも言われた。愛子さまは女子高等科に入学されてから、回復の兆しを見せられていったように思う。今ではすっかりはつらつとしたご様子だ。

2017年4月、学習院女子高等科の入学式 ©JMPA

「将来的にその立場を離れる可能性がどうしても念頭に」

 紀宮さまは内親王という立場について、「将来的にその立場を離れる可能性がどうしても念頭にあるため、中途半端に投げ出してしまうことのないように、継続的な責任ある立場に就いたりすることは控えてきたということはあるかもしれません」と述べられたことがある(2002年、33歳の誕生日に際しての文書回答)。皇族であることと結婚して民間に入られること、その両方の世界を絶えず意識されてきた日々の葛藤を反映したような言葉だった。

紀宮さま(当時) 宮内庁提供

 政府は4月以降に、安定的な皇位継承に向けた本格的な検討を始めるという。現行の皇室典範では、皇位継承の資格者は秋篠宮さま、悠仁さま、常陸宮さまに限られる。

 2017年6月に「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」が成立したとき、「安定的な皇位継承を確保するための諸課題」と「女性宮家の創設」を速やかに検討するよう政府に求める付帯決議が採択されている。愛子さまが大学を卒業されるまでに、新しい選択肢はつくられているのだろうか。

2020年 皇室部門 BEST5

1位:愛子さまはグレンチェック、佳子さまはシックなレース…選ばれたスカートの違いに見る“こだわり”
https://bunshun.jp/articles/-/42242

2位:《佳子さまファッションに変化》大胆タンクトップから“透け感”を楽しむ「赤文字系フェミニン」へ ヴァンクリ風イヤリング、レーススカート……
https://bunshun.jp/articles/-/42241

3位:「雅子さまは“演じる”ということをなさらない方」 グレースーツのチャイナボタンに見る“ご自分らしさ”
https://bunshun.jp/articles/-/42240

4位:「異様な親子」と非難されても…… 雅子さまが不登校の愛子さまに寄り添い続けた日々
https://bunshun.jp/articles/-/42239

5位:愛子さま学習院大入学式は中止でも「また来てね、うちに!」 “天皇の娘”サーヤとの共通点とは
https://bunshun.jp/articles/-/42238