世界中で財政赤字との戦いが幕を開けます
ネットでも岩田健太郎さんが出てきて「Go Toはインパール作戦」と過激な見出しで世論を煽り、ダイヤモンドプリンセス号で与太話をし、マスクは必要ないと言っていたことへの反省もないわけですね。もう、無茶苦茶でしょ。
そして、コロナがどうなろうが、日本だけでなく世界中が景気後退とそれへの対策としての財政出動を派手にやることで財政赤字との戦いが幕を開けます。日本でも単なるケインジアン的な政策であるはずのMMT理論が装いを新たに登場したことで「どんどんカネをばら撒けばいいのだ」という反緊縮路線に乗っかって議論が進んでいますが、カネをばら撒いたところで肝心の経済が成長していないので市中で資金需要がなく、あるとしてもすでに倒れそうなゾンビが輸血を待っているか犯罪組織が一攫千金を狙っている雰囲気でしかありません。結果として、ジャブジャブに溢れ返ったお金は概ね証券市場や不動産方面に流れ、資産バブルを作り上げてしまいます。
現場で経済を回している皆さんはGo Toの取りやめも含めて失業が増えたり減俸にボーナス減の憂き目に遭ってより貧乏になり、証券投資に積極的だった人たちはなんと2万6,000円を超えて3万円も目指そうかという状況で空前の活況に沸いています。これはもう、貧富の格差が拡大することが大前提の、2021年なのにもう世紀末な感じのwithコロナになってますよね。
ガチでGo To路頭になりかねない人たちのための対案を
おそらくは、これからが本番、地獄の始まりなんじゃないかと思うのです。感染症は収まらず、東京オリンピックは強行しようとし、国政選挙もある中で本当の貧困、食べられない人たちが続出する状況が出て。それも、日本だけじゃなく、世界中で政治に対する不信が渦巻いたり、喰えない人たちが怨嗟の声を高らかに上げることもあると思うんですよ。そして、それらは正当な抗議であるのに、今度は政府が失政を隠したり、声を押しつぶしたりすることのないように見続けていかなければなりません。
ガチでGo To路頭になりかねない人たちのために、対案も含めて何ができるのか真面目に考えていくフェイズに入ったんだと思うんですが、こういう危機感ってガースーにちゃんと届いたりするものなのでしょうか。ちょっと心配なんですけど。
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