Go Toトラベルがすったもんだの末、年末12月28日から来年1月11日まで中止になる運びとなりました。
いわゆる「経済を回しながら感染症対策をやる」という話は、あたかも二律背反のように見えて、実際には感染症が広がってしまうと経済どころではないという意味で、ちゃんとコロナウイルスが収束されるまで経済振興策は打つべきではなかったのかもしれません。しかも、Go Toとりやめと言っても、あくまで割引分のポイントがつかなくなるだけで、旅行自体はできますし、交通機関も(一応は)動いています。新幹線も飛行機も動いているのに旅行はするなというのは、どういう理屈なのかは分かりません。
スローガン的に「勝負の3週間」と言われても……
一方で、経済対策をやるにせよ、やめるにせよ、政府が専門家の集まりである分科会にきちんと諮問しながら「どのくらいの感染者数が出て、どういう増え方をしたらGo Toを止める」という分かりやすい線引きが必要だったと思うんですよね。
仕方のないことなのかもしれませんが、スローガン的に「勝負の3週間」と言われ、その勝負とは何だったのかが曖昧なまま、外出を控えましょう、三密は避けましょう、手洗いうがいを励行しましょうという国民の行動に寄りかかって、整合性のある政策面での対策が後手に回ってしまった印象があります。手洗い選手権でもオリンピック種目にするとかどうでしょうか。うがいできる秒数を競う競技を国民の間に定着させるとか。
確かに諸外国から見れば、我が国のコロナ対策は比較的成功の部類ではあるんですけれども(これは単に日本人がマスク着用に抵抗感がなかったり、諸外国のコロナの状況があまりにも酷いので相対的に日本が良く見えているだけかもしれませんが)、今の感染者の状況から見ると「緊急事態宣言が出て、みんな自宅でゆっくりしていた4月、5月のころよりも感染者数が多い現在、本当にこれでいいのか」という疑念は誰もが持つところだと思うんですよ。
なかなかの下り最速ぶりを見せる「スガーリン」の支持率
その結果として、政府のコロナ対策がまずいんじゃないかという議論になるのも致し方のないところで、一時期は「ガースー」の愛称で親しまれた総理大臣の菅義偉さんもいまでは「スガーリン」呼ばわりされてしまい、支持率もなかなかの下り最速ぶりを見せて、一部調査では不支持が支持を上回り、いきなり4割ぐらいの支持率になってしまいました。
さて、これで本当に解散総選挙があるのか、さらには東京オリンピックが開催できるのかという話になるわけですけれども、我らがかんべえ先生ことエコノミストの吉崎達彦先生が「溜池通信」12月11日号の中でこのあたりの事象を先読み的に占っておられます。