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「『第7世代なんて売れるわけねぇ』と思っていたら…」 東京ホテイソンが語る“ツッコミ独特系漫才”の誕生とぶつかった壁

東京ホテイソンインタビュー#2

2020/12/19
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たけるの「い~や」待ちとの葛藤

――一見、奇抜なツッコミだけど浮かないのは、肉体に染みついた言葉と動きだからなんでしょうね。

たける 確かにそうですね。

――あと、本当に声がいい。

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たける それはよく言っていただきます。

ショーゴ 若手芸人の中では、いちばん声量があると思います。そして、喉が強い。普通、あれだけ大きな声を出したら、言葉が飛んでしまうというか、割れてしまうんですよ。でも、大きくても、明瞭。それは幼少期から神楽をたしなんでいた影響でしょうね。

 

――ただ、そうしてたどり着いたスタイルも、やがて、限界を感じるようになってきたわけですね。

ショーゴ ライブでも、たけるの「い~や」がないとウケないんです。ずっと「い~や」待ちをされてしまう。

たける あれをやらない漫才とかもやったんですけど、ダメでしたね。

ショーゴ あればっかりやってたら、いつか飽きられる。でもお客さんはそれを求めている。その板挟みでしたね。そんな状況に追い打ちをかけるように2018年のM-1で霜降り明星さんが優勝して、そこから第7世代がばっと出てきて。おれらは同世代であるにもかかわらず、一緒に括られなかった。年で言ったら俺ら、第7世代の中でも2番目くらいに若いんですよ。四千頭身の後がおれらなんです、本当は。シンプルに華がなかったというか…。

 

たける 僕らはそれよりちょっと前からテレビに出始めてはいたんですけど、第7世代に入れるほどの知名度はなかった。なんかこう、全部ちぐはぐでしたね。

ショーゴ 「第7世代なんて、売れるわけねぇよ」と思っていたら、あっという間にお笑い界の一大勢力になっちゃって。本当にやばいと思った。もう漫才辞めた方がいいんじゃないかな…って思って。

 そこからネタができないというスランプになって、もう「キャラ芸人で行くしかない」というところまで追い込まれたんです。そこからですよ、僕が体を鍛え始めたのは。筋肉キャラで漫才しようとか、変な方向にいっちゃって…。筋トレ始める前は48kgだったんですけど、今、83kgぐらいありますから。

たける 僕も丸坊主にして、毎日40個おにぎり食って、おデブちゃんになったろう、とか思ってましたね、あの頃は。

【続き】東京ホテイソンに聞いた「例年以上にM-1決勝で重要なポイント」は… 「今大会の決勝は“妖怪大運動会”なんです」へ)

写真=山元茂樹/文藝春秋

東京ホテイソン
たける(ツッコミ担当)とショーゴ(ボケ担当)のコンビ。たけるは1995年3月24日岡山県出身。ショーゴは1994年2月1日東京都出身。インターネットの「相方募集掲示板」で出会い、2015年に結成。
2018年の「第39回ABCお笑いグランプリ」で準優勝。M-1では15年、16年に2回戦、17年、18年、19年に準決勝進出。20年に初の決勝進出を決めた。

「『第7世代なんて売れるわけねぇ』と思っていたら…」 東京ホテイソンが語る“ツッコミ独特系漫才”の誕生とぶつかった壁

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