今年もまた、年に1度の漫才の祭典・M-1グランプリの決勝が近づいてきた。12月20日(日)に大舞台を迎え、ここまで勝ち上がった10組の漫才師が覇を競うことになる。

 結成6年目と決勝進出者の中では最も若手の東京ホテイソンは、備中神楽のリズムともいわれる特徴的なツッコミを武器に活躍してきた。

 一度は「漫才をやめよう」とまで考えた2人が、決勝まで進出できたのはなぜだったのか。そして、今年のM-1決勝の展望とは?

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東京ホテイソンのたけるさん(左)とショーゴさん(右)

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「何を言われようと絶対に続けた方がいい」

――近年は、「回文」ネタや「英語」ネタをはじめ、今年の準決勝を突破したネタもそうでしたが、強いツッコミは残しつつ、また出始めた頃とは違う新境地を切り開いているように映ります。

ショーゴ 2018年のM-1が終わってからは、10カ月ぐらい新ネタが出てこなかったんです。けど、悩んで、悩んでいたら、2019年の準々決勝前に「回文」と「英語」のネタが湧いてきたというか、降って来たんです。あれから発想の幅が広がりましたね。

――たけるさんも、漫才を辞めようと思い悩んだ時期があったのですか。

たける 2018年のM-1で霜降り明星さんが優勝した日の夜、たまたま笑い飯の西田さんと食事に行くことになったんです。そのとき、西田さんに「僕ら、続けるべきなんですかね…」みたいなことをこぼしたら「何を言われようと絶対に続けた方がいい」って言われたんです。それを今、思い出しましたね。

ショーゴ 初めて聞きました。

たける それ、ショーゴには伝えてませんでした。

ショーゴ すっごくいい言葉じゃねえか。

たける 五反田の磯丸水産で西田さんと飲んでたんだよ。

ショーゴ そこはいいんだよ。西田さんの言葉、絶対忘れんな。いつでもどこでも、すぐに思い出せるようにしとけよ。

 

――紆余曲折を経ていよいよ決勝を迎えます。たとえば、同じ事務所の先輩のカミナリも、あんなにおもしろいのに、M-1では評価されにくいと感じました。「M-1に強いスタイル」みたいなものもあるのかと思うのですが、そのあたりはどう考えていますか?

ショーゴ でも、今年は変わるんじゃないですか。去年のミルクボーイさんの優勝も、そういう変化があったと思うんです。

 これまでのM-1は、後半に畳みかけるようなスタイルじゃないとなかなか勝てなかった。でも、でっかい笑いをしっかり取れさえすれば、何とかなる。それが去年でよくわかりました。