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ネタに「演芸としての強さ」があれば勝てる

――ミルクボーイは畳みかけるタイプではないと。

ショーゴ 多少、テンポは速くなっていますけど、それよりもネタの強さですよね。台本の強さだと思います。ある意味、競技用にネタや構成を仕上げなくても、漫才として、演芸として強ければM-1でも勝てると思います。今年の決勝メンバーを見ても、畳みかけるタイプの漫才コンビなんて、ほとんどいないじゃないですか。

『M-1グランプリ2020』ファイナリストの9組 ©️M-1グランプリ事務局

――全体的な印象として、関東カラーが強いですよね。いわゆる関西系のしゃべくり漫才コンビが見取り図しかいません。

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たける 東京の芸人が多いですよね、今年は。

――東京と大阪だと、芸風だったり芸人の雰囲気がぜんぜん違いますよね。

たける 東京の方が変な漫才師が多いですよ。関西圏のバーッてしゃべるしゃべくりにはどうやったって勝てないんで。そうなると、みんな変な方向に行かざるを得ない。ただ、「漫才とはこうだ」というものがないので自由だとは思います。いろんなカラーがある。

 

今大会の決勝は「妖怪大運動会」

――たけるさんは岡山出身ですけど、岡山弁がぜんぜん出ませんね。

たける しゃべっていた時期もあるんですけど、「ええんじゃ」とか「じゃ」を使うと、すぐ「千鳥やん」って言われるのでやめました。岡山弁漫才は、やはり千鳥さんの専売特許ですね。

ショーゴ たけるは今大会を「妖怪大運動会」って言っているんですよ。

たける いい意味で、変な組ばっかりじゃないですか。正統派漫才コンビがほとんどいない。この大会、何がどう転ぶか正直、わからないです。

ショーゴ 決勝にでるみんなにウケる図とスベる図があるんですよ。こんなことって今までなかったんじゃないですか、M-1で。これまでは1組は「絶対、あのコンビはウケるだろう」みたいなのがいたので。

 

――絶対的な大本命が居ないですしね。

ショーゴ そうそう。おいでやすこがさんもあんなにウケたけど、決勝はスベるのかなとかも思うし。でも、めっちゃウケてる図も見えるし。

たける 今年は、例年以上に順番が大事になると思います。目立つコンビも何組かいるし。かといって何番がいいとかはわからないですけど…空気感がわからないですよね。