中国の「淘宝網(タオバオ)」などのECサイトで「日本語印刷服」「和風お菓子」「日系文具」などといった単語(中国語)で検索すると、いくらページをめくっても終わらないほど日本語が書かれた商品や日本をモチーフにした商品が見つかるのです。
若者向けの日本を意識した商品では、日本の学生向け制服を真似たファッションブランドが続々と登場しています。これまでも中国の都市で日本の制服をファッションとして着ている人を見かけましたが、日本の制服らしきものだけを扱う専業ブランドが立ち上がり、中国全土に店舗を展開するまでになりました。さらに日本人らしくなるべく、日本の4Gのガラケーを個人輸入して利用する中国女子も登場しています。
人気の理由は「日本語がかっこいい」
2005年と2012年の反日デモとその前後の頃は、街にはせいぜい「ATOM TOKYO」と書かれた鉄腕アトムのブランド服があるくらいで、それですらも「売って大丈夫なのか」「着たら因縁をつけられないか」と心配するような雰囲気でした。食べ物にしても日本製を偽装する適当な日本語が書かれたお菓子ばかりが目立ちました。現在は日本語が書かれた服を着るどころか、日本の制服を着こなす人もいて、隔世の感があります。
オンラインで中国のとある若者に聞く機会がありました。「最近中国で日本ぽい商品が多いけど、現地ではどんなものが人気なのか」と聞くと、「アニメやゲームと関連グッズ、それに筆記用具や食べ物や旅行が人気ですね」とのこと。またなんで日本語が人気なのかと聞くと、「日本語がかっこいいのですよ。旅行に行きたい人もいますけど、グッズとして日本語の商品が人気です」とのこと。
確かに最近の変な日本語の商品を見ると、以前見られた日本製を偽装した製品だけでなく、デザインとして日本語があることがかっこいいように思える製品が多く出てきました。日本もマンションやアパートなどに横文字名称をつけたくなりますからね。
今中国では流行に敏感な若者にも、鍋を買う大人にも、日本らしい商品が受け入れられます。日本ブランド偽装は凝る一方で、中国人クリエイターが自ら日本の印象から日本らしいデザインで作る商品が続々と誕生しています。中国人の日本文化のイメージは、10年前と比べて格段によくなりました。