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《M-1マヂラブ酷評から3年》上沼恵美子(65)の一見辛辣すぎる“愛の金言”ベスト10「古い」「横柄」「思い上がり」

2020/12/25
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2008年 NON STYLE 95点

NON STYLEの石田明(左)と井上裕介 ©時事通信社

「ビックリしました。ノンスタイルは大阪の私の番組によく来てくれるんですけど、フリートークはあんまりおもしろくない。漫才初めて見たから、やれるねんなと思った。その調子でフリートークも来てよ」

 この年の王者になるNON STYLEに対して、漫才の実力は認めながらも「漫才はいいけどフリートークはおもしろくない」とあえてダメ出しをしてみせた。NON SYTLEがM-1後に出演したバラエティー番組では、上沼のこの発言を踏まえて、先輩芸人が彼らのことをイジったりしていた。上沼は、一見厳しく聞こえる発言によって、NON STYLEにテレビで使える武器を1つ提供していたのだ。

2016年 スリムクラブ 89点

スリムクラブの真栄田賢(左)と内間政成 吉本興行公式サイトより

「スリムクラブは前(2010年)のとき2位だったかな。あのときは家で見てたんです。スリムクラブが優勝だと思っていたんです。だから前回、高得点出て、今回というのは普通なベタなネタはできないっていうところがあったかもしれないけど、もっとあったような気がする」

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「無理がありました、飛び過ぎ。悪いけど。親しいからいうけど、どなんしたんや、あんた。しっかりせんかい! 優勝はしてへんのやから。自分は優勝やと思ったでしょ。その思い上がりみたないなものが今日はネタに出てたね」

 スリムクラブは、無名だった2010年にM-1で準優勝して一気に売れたコンビ。上沼は「2010年はスリムクラブが優勝だと思っていた」と一定の評価を示したうえで、2016年のネタについては「飛び過ぎ」と一言で表現した。これは短いが非常に味わい深いコメントだ。

 M-1に何度も出場するコンビは「ネタを複雑にしすぎる」という罠に陥ることがある。自分たち本来のネタで結果が出ないと、手を替え品を替え、今までとは違う形のネタを作って目新しさを出そうとする。すると、最初はシンプルだった漫才が複雑になっていき、結局、何が面白いのかわからなくなってしまうということがある。まさにその状況に陥りつつあったスリムクラブに対して「無理がありました」とはっきり指摘してみせた。