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《M-1マヂラブ酷評から3年》上沼恵美子(65)の一見辛辣すぎる“愛の金言”ベスト10「古い」「横柄」「思い上がり」

2020/12/25
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2017年 カミナリ 90点

カミナリの竹内まなぶ(左)と石田たくみ グレープパイン公式サイトより

「今日はネタがとっても好き。ただ、叩いて笑いがこないのはすごいな。あのドツキは要るんやろか。叩いてからツッコむっていうのは要らないと思う。癖になってるね。これ(叩く仕草)しないでツッコんでもどっと(笑いは)きます。力あるから」

 このコメントは物議をかもした。たしかにウケてはいたし、上沼自身も90点と低くはない点数をつけている。しかし、彼女には“ドツキ”が引っかかっていた。特に女性の視聴者からは「痛そう」「暴力がキツくて笑えない」という声も多かった。時代の変化によって人々の暴力的なツッコミに対する許容度も変化している。そんな庶民感覚を代弁した、上沼ならではのコメントだった。これまでの漫才では相手を“ドツク”のは当たり前だったが、「それが本当に今の時代に必要なのか」を問い直している。

2017年 マヂジカルラブリー  83点

マヂカルラブリーの野田クリスタル(左)と村上 ©M-1グランプリ事務局

「ごめん、聞かないで。好感度を上げようと思ったら審査委員もいい点を付ければいいと思うんです。でも、本気で挑んでるんで、みんな」

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「本気でやってるっちゅうねん、こっちも! 一生懸命がんばってるのはわかるけど、好みではない。よう決勝に残ったな思う」

 マヂカルラブリーの「野田ミュージカル」というネタに対して、上沼は83点という低い得点をつけた。コメントを求められた上沼は、「(審査に)本気で挑んでいる」とバッサリ。野田クリスタルが「こっちも本気でやってるから」と口を挟むと、それに対してヒートアップした言葉が「本気でやってるっちゅうねん、こっちも!」だった。

 これはたぶん先輩に口答えした若者を叱るという上沼なりのボケだったはずだが、動揺した野田が巻き返そうと上半身裸になり、さらに致命的にスベってしまう事態に。2020年まで続くマヂカルラブリーと上沼の因縁はこうして生まれた。野田は2020年大会のツカミで、「どうしても笑わせたい人がいる男です」と自己紹介し、会場は爆笑。見事に優勝を果たした。